▲8月24日午前、ソウル市鍾路区のタプコル公園近くで、高齢者たちが寄り集まっている。鍾路警察署は、タプコル公園の環境改善のため、公園周辺での囲碁や将棋などの娯楽行為、飲酒や歌って踊る行為などを禁じた。2025.8.24/パク・ソンウォン記者
多くの高齢者たちが集まるソウル市鍾路区のタプコル公園から将棋盤が消えた。警察が7月末、「将棋禁止令」を下したためだ。タプコル公園は「お年寄りの聖地」と呼ばれている。毎日、1000人余りの高齢者でにぎわいを見せている。
本来タプコル公園の北門の塀に沿って、約20個の将棋盤が設置されていた。昼は「賭け将棋」、夜は「飲酒将棋」の場となっていた。これにより毎日150人余りが将棋盤の前に集まった。
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▲8月24日午前、ソウル市鍾路区のタプコル公園近くで、高齢者たちが寄り集まっている。鍾路警察署は、タプコル公園の環境改善のため、公園周辺での囲碁や将棋などの娯楽行為、飲酒や歌って踊る行為などを禁じた。2025.8.24/パク・ソンウォン記者
多くの高齢者たちが集まるソウル市鍾路区のタプコル公園から将棋盤が消えた。警察が7月末、「将棋禁止令」を下したためだ。タプコル公園は「お年寄りの聖地」と呼ばれている。毎日、1000人余りの高齢者でにぎわいを見せている。
本来タプコル公園の北門の塀に沿って、約20個の将棋盤が設置されていた。昼は「賭け将棋」、夜は「飲酒将棋」の場となっていた。これにより毎日150人余りが将棋盤の前に集まった。
【写真】タプコル公園周辺で将棋を指すお年寄りたち
鍾路区の関係者は「1回の賭け金が1000-5000ウォン(約105-527円)程度に高騰した」とし「このためけんかになることも多かった」と事情を語る。夜は焼酎やマッコリ持参で将棋盤の周辺に寄り集まる。これに近くのホームレスまでが加わった。
このため、通報が後を絶たなかった。警察署によると、タプコル公園の北門付近からの通報は昨年1470件だった。1日4件の割合だ。3年前の2021年(763件)に比べて2倍となった。住民のコ・ハンスンさん(71)は「夜12時まで大声で歌を歌っている」とし「毎朝、焼酎の瓶20-30本、マッコリの瓶70-80本を片付けるのが日課だった」という。タプコル公園の近くに住むイ・イェジさん(22)は「タプコル公園も文化財なのに、割れた焼酎の瓶があちこちに散らばっている」とし「大声を上げる高齢男性が多く、夜間に通行する際は怖かった」と話している。
これを受け、警察は7月末、将棋盤の強制撤去に乗り出した。将棋盤があった場所には「公園内での散策に支障を来すと思われる将棋などの娯楽行為は全て禁止します」と書かれた掲示板を設置した。警察の関係者は「飲酒自体は防ぐことができないため、将棋盤を片付けた」とし「腹を立てる高齢者たちに言い聞かせながら、自主撤去を促した」と話す。
8月24日午後、タプコル公園は静かだった。高齢者たちは日陰で携帯電話を触ったり、休憩したりする様子がうかがえた。鍾路警察署の関係者は「将棋盤を撤去して以降、警察への通報が前年同期比で37%減った」と証言する。
高齢者たちは不満が収まらない。イ・ウォンジャンさん(73)は「残された人生もあとわずかだというのに、公園での将棋まで禁ずるというのか」とし「ここに集まる高齢者たちはそのほとんどが行き場がなく、生活保護で毎日食いつないでいる。今後どうするつもりなのか」と話す。
周囲の商店街はこうした警察署の措置を歓迎している。果物店を経営しているチェさんは「以前は毎晩寝られなかったが、今ではぐっすり寝られるようになった」という。
鍾路区はタプコル公園から約500メートル離れたソウル老人福祉センターに「将棋室」をオープンした。しかし、ここで将棋を指す高齢者は30人余りに過ぎない。リュ・ドボンさん(90)は「あれほど多かった老人たちは一体どこへ行ってしまったのか」と嘆く。キム・ギョンスさん(75)は「将棋の駒には罪がない」とし「酒癖の悪い高齢者たちのせいで、われわれのような将棋愛好家たちまでが被害を被った」と肩を落とした。
キム・ミョンジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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