▲写真=UTOIMAGE
韓国政府が今月7日、検察庁を廃止し、重大犯罪捜査庁(重捜庁)と公訴庁を新設する内容の政府組織再編案を発表した。その核心は「捜査と起訴の完全分離」だ。
再編案によると、検察の起訴機能は法務部傘下の公訴庁が持ち、汚職、選挙、経済など主な犯罪の捜査は行政安全部傘下の重捜庁が専門で担当する。これまで一部の犯罪に限って直接捜査を行ってきた検察は全ての捜査権を失うことになる。検事らは公訴庁に移籍し、検察総長..
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韓国政府が今月7日、検察庁を廃止し、重大犯罪捜査庁(重捜庁)と公訴庁を新設する内容の政府組織再編案を発表した。その核心は「捜査と起訴の完全分離」だ。
再編案によると、検察の起訴機能は法務部傘下の公訴庁が持ち、汚職、選挙、経済など主な犯罪の捜査は行政安全部傘下の重捜庁が専門で担当する。これまで一部の犯罪に限って直接捜査を行ってきた検察は全ての捜査権を失うことになる。検事らは公訴庁に移籍し、検察総長は公訴庁長に任命される予定だ。現政府組織法に規定された「検察庁」は廃止され、「公訴庁」が新設される。
【写真】「検察改革公聴会」で発言する車珍児教授
法曹界からは「検察庁廃止と捜査・起訴分離は憲法に反する」との指摘が出ている。高麗大法学専門大学院の車珍児(チャ・ジンア)教授は7日、本紙とのインタビューで、「憲法が予定した機関である『検察庁』を下位の法律で変えることは違憲だ」と述べた。車教授は4日の国会検察改革公聴会に出席した憲法学者の一人だ。
-検察改革公聴会に出席した経緯は。
「公聴会の前日に急きょ要請を受けた。徹夜で準備しながらも「既に答えが決まった形式行為であるはずなのに意味があるのだろうか」という絶望感を感じた。それでも国民が検察改革の問題点を正確に理解できるように憲法学者として最善を尽くさなければならないと考えた。たとえ結果が変わらなくてもだ」
-検察廃止のための形式的な公聴会だったという指摘もある。
「議員は勉強不足に見えた。民主党指導部が『こうしろ』と決めた党議決定に当てはめるやり方だった。党議決定過程で合理的な討論がなかったため、矛盾点さえ知らずに質問した。ある与党議員は『検察捜査の効率性と迅速性は必要ない』とも発言した。公職者として基本ができていない発言だと思った。無能で非効率的な国家でもいいということだが、そんなことを言う国会議員は国民を代表すると言えるのか」
-検察庁廃止が違憲だという違憲が多いが。
「検察庁廃止はそれ自体が違憲だ。検察庁は『憲法上の機関』だ。韓国憲法に『検察総長』という単語が明示されているためだ。憲法上の機関は名称を変更したり、その実質を変えたりしてはならない。憲法上の機関を下位の法律が変更すること自体が憲法違反だ」
-検察庁を「公訴庁」に変更することも違憲か。
「これまで述べたように検察庁は憲法に明示された機関だ。名称も権限も変えることはできない。憲法だけでなく、下位の法律の中でも同じだ。もし検察庁を公訴庁に変えることに全く違憲の恐れがなければ、「公訴庁は憲法上、検察庁を意味する」という式の追加規定を置く理由はなかったはずだ。民主党自らも違憲性を意識していたため、敢えてそういう規定を改正案に盛り込んだのではないか」
-検察の捜査・起訴分離は必ず必要なのか。
「捜査・起訴が分離されなければならないならば、真っ先に問題になるのは、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と内乱、金建希(キム・ゴンヒ)氏・海兵隊員殉職を捜査する3大特別検事だ。捜査・起訴権を全て持っているからだ。ところが政権の意向通りに仕事をするので、捜査・起訴分離の話が出てこない。むしろ、特別検事の権限は法改正で国会が拡大した。政権の妨害になる検察から捜査権を奪うための手段として検察改革を用いたため、辻褄が合わないのだ。捜査・起訴分離という命題が妥当でないことを示す自己矛盾だ」
-検察の「補完捜査権」まで廃止されるべきなのか。
「補完捜査権問題は副次的だ。 検察庁を廃止し捜査・起訴を分離するという論理の中に含まれるためだ。もし、検察の補完捜査権をなくしたら、どんな結果が生じるだろうか。既に警察が一次捜査の終結権を持っており、不正腐敗も少なくなく、複雑な事件は捜査さえストップした。警察が捜査が不十分にしかなされていない事件を強引に検察に送致した場合、検察が補完捜査を要求したとしても強制力はないので、警察は無視する。その被害はそのまま国民に降りかかる」
-与党は一貫して「検察改革」を叫んでいる。
「検察事件の98%は問題がないが、政権の不正をもみ消したり、政敵除去のために『ほこりたたき式捜査』をする少数2%の政治検事が問題だ。いわゆる『政治検事』問題は解決されなければならない。それを正すためには、検事の政治的中立を保障する仕組みが必要だ。
ところが、民主党の検察改革は正反対に進んでいる。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、政権の言うことを聞かない検察の捜査権をほとんど警察に移管した。今回は検察に残された一部捜査権までもすべて行政安全部に移管しようとしている。政治的に言うことを聞かなければ罰を与える制度をつくり、検察を権力の統制下に置こうという狙いだ。政治報復的な制度は時代に逆行する」
-今回の検察改革はどんな結果をもたらすか。
「改革は制度の問題を突き止め、それを改善することだ。しかし、民主党は何が問題で、どのように改善するのかを示すことができない。『検察に弾圧された』と感情に訴えただけだった。検察の捜査・基礎起訴権を分離したからといって、捜査の効率性が高まることもなく、犯罪被害者が保護されることもない。むしろ恣意(しい)的な捜査が増え、効率は低下するだろう。庶民が犯罪から保護されずに放置されることになるのは明らかだ。こんな改革は国民のためのものなのか、政権延命のためのものなのか尋ねたい」
-予想通りに公聴会は答えが決まっていたのか。公聴会に出席した感想は。
「国家刑事司法体系を根本的に変化させる検察改革は、深みのある議論が必要だ。専門家の意見を聞く公聴会なら、期待される効果と副作用を多角的に検討し、補完策まで議論すべきだった。ところが、公聴会で与野党議員はむしろ専門家たちの言葉を阻もうとする雰囲気だった。大声を上げて「はい」「いいえ」だけで答えろと強要した。質問時間の半分以上を自身の演説に使い、こちらが答えようとすすと「時間がない、答えるな」と言った。相手を威圧しようとする態度では、結局国民の説得にも失敗する。相手を怒鳴りつける公聴会文化は変わらなければならない」
パク・ヘヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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