▲イラスト=UTOIMAGE
「捧刀! 祝婚!」
9月27日、ソウル市内の結婚式場。陸軍の制服を身にまとった6人の男性が、司会者の掛け声に合わせて腰に差した剣を頭上に振りかざし、互いに突き合わせた。その間を、主役の新郎新婦が入場した。これは結婚式などのイベントで、制服姿の軍人が剣をアーチ型に掲げて入場客を迎える「サーベルアーチ」という儀式だ。もともとサーベルアーチは現役の軍人が行うべきものだ。ところがこの日、陸軍の制服を着て..
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▲イラスト=UTOIMAGE
「捧刀! 祝婚!」
9月27日、ソウル市内の結婚式場。陸軍の制服を身にまとった6人の男性が、司会者の掛け声に合わせて腰に差した剣を頭上に振りかざし、互いに突き合わせた。その間を、主役の新郎新婦が入場した。これは結婚式などのイベントで、制服姿の軍人が剣をアーチ型に掲げて入場客を迎える「サーベルアーチ」という儀式だ。もともとサーベルアーチは現役の軍人が行うべきものだ。ところがこの日、陸軍の制服を着ていた男性たちは、正式な儀仗隊でもなければ現役軍人でもない、アルバイトの男性たちだった。
【写真】新郎新婦がサーベルアーチをくぐる様子
軍人の威信と名誉を象徴するサーベルアーチが、民間の結婚式場で商業的に行われている。民間のウエディング関連企業各社は最近「軍の転役(除隊)者のロマンを実現」などのキャッチフレーズを掲げ、インターネット上でサーベルアーチのサービスを積極的にPRしている。費用は1回200万-250万ウォン(約21万2000-26万5000円)程度だ。決して安くはないが、ネット上では予約が殺到しているという。SNS(交流サイト)では広く拡散され、結婚を控えた一部のカップルの間では「結婚式に不可欠な演出」と考えられているようだ。ある結婚式場の関係者は、本紙の問い合わせに対し「予備役(兵役義務を終え、非常時だけ招集される軍人)の顧客の需要が高く、予約が数カ月先まで埋まっている」として「陸軍の制服だけではなく一般の軍服や特殊戦司令部の戦闘服でも実施が可能」と説明した。
現役軍人や正式な儀仗隊ではなく、単なるアルバイト男性が軍服を着て軍の儀式を執り行うのは、法律(軍服および軍用装具の取り締まりに関する法律)違反だ。軍人ではない者が軍服を着用した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金刑に処せられる可能性がある。ある予備役の陸軍中将は「軍服は、国家と国民に対する忠誠と犠牲を象徴する名誉のシンボル」だとして「これを商業的に利用するのは軍の名誉を激しく傷つけるものだ」と指摘した。
韓国国防部(省に相当)は、サーベルアーチのサービスを提供する民間のウエディング業者が増えるとともに請願も増えていることから、調査に着手した。国防部の関係者は「請願が提起された各ウエディング業者に説明を求めた」として「違法かどうかを精査しており、違反が確認された場合は捜査機関に告発措置を取る予定」と説明した。
コ・ユチャン記者、キム・ドヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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