▲プノンペン市内のプリンスバンク支店前を通り過ぎる現地人/聯合ニュース
米英両国はカンボジアなどで詐欺拠点を運営してきた組織に対する制裁に乗り出した。韓国人をカンボジアに誘い出し、拉致・監禁するケースが相次いで伝えられ、韓国社会に衝撃を広げる中、米英もそうした組織に注目していた格好だ。
【写真】プリンスグループの陳志会長
ロイター通信によると、米英政府は14日、オンライン詐欺拠点を運営した疑いでカンボジア企業「プリンスグループ」と同社の陳志会長を制裁対象に含めた。
米..
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▲プノンペン市内のプリンスバンク支店前を通り過ぎる現地人/聯合ニュース
米英両国はカンボジアなどで詐欺拠点を運営してきた組織に対する制裁に乗り出した。韓国人をカンボジアに誘い出し、拉致・監禁するケースが相次いで伝えられ、韓国社会に衝撃を広げる中、米英もそうした組織に注目していた格好だ。
【写真】プリンスグループの陳志会長
ロイター通信によると、米英政府は14日、オンライン詐欺拠点を運営した疑いでカンボジア企業「プリンスグループ」と同社の陳志会長を制裁対象に含めた。
米財務省はプリンスグループを「超国家的犯罪組織」と規定し、陳会長をはじめ、同社に関連して146件の制裁措置を実施すると発表した。
法務部は陳会長をオンライン金融詐欺とマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴した。米検察当局は陳会長らがカンボジアで犯罪組織を運営し、人々を監禁し、仮想通貨投資詐欺に及んだとみている。陳会長はオンライン賭博のほか、仮想通貨マイニング企業を通じて犯罪収益をのマネーロンダリングを行った疑い。
米司法省は追跡を通じ、犯罪収益と推定されるビットコイン12万7271個を差し押さえており、その没収に向けた訴訟を起こしている段階だ。ビットコインは約142億ドル(約2兆1490億円)相当で、米司法省で過去最大規模の没収訴訟だ。
米財務省はまた、カンボジア金融大手のフイオン(匯旺)グループを米国の金融システムから遮断する措置も取られた。フイオングループは「悪意あるサイバー行為者」が詐欺や奪取を通じて取得した仮想通貨資金のロンダリングを行い、北朝鮮が奪取した仮想通貨資金をロンダリングする上でも重要な役割を果たしたとされる。2021年8月から25年1月までに少なくとも40億ドルの違法資金をロンダリングしたが、うち3700万ドルは北朝鮮がハッキングした仮想通貨だという。今回の措置を受け、米金融機関はフイオングループに関連する取引が禁止される。
英政府はプリンスグループと陳志会長の関連法人と子会社を制裁対象に上げた。具体的にレジャー・エンターテインメント企業である「ジンベイ(金貝)グループ」、技術団地に偽装したが大規模詐欺拠点として関与が指摘された「ゴールデンフォーチュンリゾートワールド」、仮想通貨プラットフォーム「BYEXエクスチェンジ」などだ。
プリンスグループは英領バージン諸島に法人を設立し、ロンドンの不動産市場に投資してきたことが分かった。内訳はロンドンの1億ポンド(約203億円)のオフィスビル、1200万ポンドの邸宅、マンション17棟などだ。
英政府はプリンスグループが偽の求人広告で外国人をカンボジアやミャンマーなど東南アジアの閉鎖されたカジノや特殊施設に誘い出し、拷問で脅してオンライン詐欺を強要したと指摘した。犯行のターゲットに接近させ、巨額の仮想通貨詐欺に誘導する手口だ。
今回の制裁で、プリンス企業関連の不動産は直ちに凍結され、陳志会長らは英国の金融システムを利用できなくなる。
英国政府は報道資料を通じて発表を行い、「制裁は米国と歩調を合わせたもので、英国外務・英連邦・開発省と米財務省外国資産管理室(OFAC)の幅広い調査に基づくものだ」と説明した。
クーパー英外相は「おぞましい詐欺拠点の背後にいる人物は、脆弱な人々の人生を破壊し、資金を隠すためにロンドンの住宅を買っている。米国と歩調を合わせ、このネットワークがもたらす超国家的脅威に対抗し、断固とした行動を取る」と述べた。そして、「人権を守り、国民を保護し、汚れた資金が我々の街に流れ込むことを阻止していく」と強調した。
パク・ソンミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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