▲イラスト=UTOIMAGE
全州地裁で10月30日、いわゆる「チョコパイ窃盗事件」の二審の論告求刑公判が開かれた。担当検事は「被告が窃盗を犯した事実は明らかに認められる」としながらも、「情状を酌量して被告に対する判決の宣告を猶予してほしい」と求刑した。宣告猶予では有罪の認定は行うものの、有罪判決の宣告を先送りし、問題なく2年が過ぎれば、何の処罰も受けない。検察が宣告猶予を求刑するのは異例のことだ。検事は「被告は有罪判決を受..
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全州地裁で10月30日、いわゆる「チョコパイ窃盗事件」の二審の論告求刑公判が開かれた。担当検事は「被告が窃盗を犯した事実は明らかに認められる」としながらも、「情状を酌量して被告に対する判決の宣告を猶予してほしい」と求刑した。宣告猶予では有罪の認定は行うものの、有罪判決の宣告を先送りし、問題なく2年が過ぎれば、何の処罰も受けない。検察が宣告猶予を求刑するのは異例のことだ。検事は「被告は有罪判決を受ければ、職場を失いかねない。被害額は少額なのに刑は厳しい」と指摘した。
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「チョコパイ窃盗事件」は1月18日午前4時6分ごろ、全羅北道完州郡の物流会社事務室で起きた。警備会社の従業員Aさんはパトロール中に事務室の冷蔵庫からチョコパイ1個とカスタード菓子1個を取り出して食べたとして、窃盗の疑いが持たれた。物流会社の所長が防犯カメラの映像に基づき、Aさんを警察に通報した。
検察は窃盗金額が1050ウォン(約114円)と少ない点などを考慮し、Aさんを正式な裁判にはかけずに略式起訴し、罰金50万ウォンを求刑した。しかし、Aさんは無罪を主張し、正式な裁判を請求した。Aさんは裁判過程で「普段(事務室を出入りしている)配送運転手らがおやつを食べても構わないと言っていた」とし、「盗む意図は全くなかった」と主張した。一方、物流会社の所長は「物流会社の社員に食べてもらおうと会社の法人カードや私費で買っておいた菓子だった」とし、「配送運転手もみだりに冷蔵庫を開けず、物流会社の社員に許可を得ておやつを取り出す」と指摘した。
一審の全州地裁は、Aさんの主張を認めず、罰金5万ウォンを言い渡した。担当判事は「事務室は事務スペースと配送運転手の待機スペースが分離されており、冷蔵庫は配送運転手の出入りが禁止された事務スペースにある」とし、「被告の職業と勤務経歴を考えると、配送運転手は物流会社の社員ではないため、冷蔵庫の中の菓子を食べろと言う権限がないことを十分に知ることができた」と判断した。Aさんに窃盗の前科がある点も考慮したという。
同地裁での二審では、9月18日の公判で裁判長が「450ウォンのチョコパイと600ウォンのカスタード菓子を取り出して食べたということだが、そこまでやる必要があるのか」と述べた。インターネット上では「起訴猶予で終結すればよい案件を検察が起訴したのは行き過ぎだ」「国民の法律感情とかけ離れた非人間的な判決だ」といった指摘が相次いだ。
全州地検は10月27日、市民の意見を聞くために市民委員会を開いた。参加した市民12人のうち、ほとんどはAさんを処罰するのではなく、チャンスを与えるべきだという意見だったという。
全州=キム・ジョンヨプ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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