韓国与党・共に民主党の金相旭(キム・サンウク)議員は「党からスマートフォンの提出が求められたが、これは不当な要求であり、前例を残すべきでないと考えて拒否した」と明らかにした。共に民主党では今年9月「大法官(最高裁判所裁判官に相当)増員」などの司法改革案が外部に流出したため、鄭清来(チョン・チョンレ)代表は党倫理監察団に経緯の把握を指示し、その後、司法改革特別委員会所属議員らと面談した際にスマート..
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韓国与党・共に民主党の金相旭(キム・サンウク)議員は「党からスマートフォンの提出が求められたが、これは不当な要求であり、前例を残すべきでないと考えて拒否した」と明らかにした。共に民主党では今年9月「大法官(最高裁判所裁判官に相当)増員」などの司法改革案が外部に流出したため、鄭清来(チョン・チョンレ)代表は党倫理監察団に経緯の把握を指示し、その後、司法改革特別委員会所属議員らと面談した際にスマートフォンの提出を要求したという。金相旭議員もこの特別委員会に所属している。金相旭議員は「他の議員も同じ要求を受けたと聞いている」と明らかにした。「鄭清来代表に異議を唱えた議員らがスマートフォンのチェックを受けた」との党内での指摘に金相旭議員は「それは違う」と反論するため上記の事実を公表したという。
【写真】共に民主党の金相旭議員
いかなる理由であれ党執行部が何の法的根拠もなしに所属議員のスマートフォンを確認する考えを持つこと自体が驚くべきことだ。スマートフォンは法律の保護を受ける個人情報の塊だ。誰に対しても裁判所の令状なしに個人のスマートフォンを調べるのは違法だ。憲法が保障する私生活の秘密と自由を侵害するまさに人権じゅうりんだ。
さらに驚くべきことは「民主」や「人権」を訴える共に民主党でこの種の事態が頻発していることだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は過去に韓国外交部(省に相当、以下同じ)職員のスマートフォンを回収し、フォレンジックまで行った。フォレンジックは捜査機関でさえ令状発付を受けた上で行うものだ。しかもその過程で私生活の問題が暴露されたある幹部は停職処分を受けた。国民年金改革案が報じられた際には保健福祉部担当職員のスマートフォンが調べられた。その際に監査院は幹部31人全員の6カ月分の通話記録を調べた。
李在明政権もこれまで48機関、75万人の政府職員を対象に内乱への協力者や関係者を突き止めるという口実で個人のスマートフォンを調べる方針を打ち出した。表向きは「自発的提出」とされているが、協力に応じない場合は待機命令、役職解任、捜査依頼などの不利益を与えるという。たとえ政府職員でもここまで人権がじゅうりんされても良いのだろうか。
人権は「味方」であれば保障し、「敵」であれば無視できるものではない。ところが共に民主党は仲間による性犯罪の被害者が苦痛を訴えると「二次加害」を加えた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が支配する北朝鮮では、奴隷のように生活する住民の人権は無視されている。しかし韓国で同じことをしている政党の名称には「民主」が入っている。令状のないスマートフォン提出要求という甚だしい人権じゅうりんなどやめてほしいものだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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