▲イラスト=UTOIMAGE
ウクライナに侵攻したロシア軍の内部では、末期のがん患者や足を折った重傷者が前線に引き出されたり、兵士が指揮官によって殺害されたりする人権侵害行為がほしいままに行われているという。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が12月31日付で報じた。NYTは、昨年4月から9月にかけてロシアの人権委員会が受理して当局のミスによりオンラインに公開されてしまった嘆願書など6000件の文書の内容を分析し、当事者と接..
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▲イラスト=UTOIMAGE
ウクライナに侵攻したロシア軍の内部では、末期のがん患者や足を折った重傷者が前線に引き出されたり、兵士が指揮官によって殺害されたりする人権侵害行為がほしいままに行われているという。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が12月31日付で報じた。NYTは、昨年4月から9月にかけてロシアの人権委員会が受理して当局のミスによりオンラインに公開されてしまった嘆願書など6000件の文書の内容を分析し、当事者と接触して、ロシアの兵士たちが直面している惨状を紹介した。
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最前線に送り込まれた兵士の中にはステージ4のがん、てんかん、統合失調症、脳卒中の後遺症などを患っていたり、視力および聴力に深刻な問題を抱えていたりするケースもあった。戦闘中に足が折れて、治療を受けようと待機していたら、身元不明の男たちに捕まって再び前線に強制投入されたケースもあった。
ある兵士は「車いすに乗った人が、手も足もない状態で前線に投入されるのをはっきりと見た」と語った。文書には、指揮官による人権侵害を経験した兵士たちの暴露もあった。真冬の1月に裸にされ、手錠をはめられ、長時間にわたり木に縛り付けられたり、負傷で足の感覚がないにもかかわらず戦闘任務に投入されたり、さらには殴打された後に豚小屋の穴に放置されたというものもあった。指揮官たちは兵士たちに、ウクライナ軍の陣地に突撃する、いわゆる「自殺作戦」を強要し、一部の指揮官は兵士たちに「外れたければ賄賂をよこせ」と強要したという。
夫をチェチェン紛争で失い、息子はウクライナ侵攻に投入されて脳震とう・骨折の重傷を負ったという女性は「戦争は戦争だというのは理解しているが、今回の戦争は何かが違う」「今のロシア軍の『無法状態』は想像もできない水準」と語った。一部の指揮官は、ロシア兵にとって敵軍よりも恐ろしい存在だった。ある老婦人は、入隊した孫が戦闘中に砲弾の破片が膝に刺さり、右腕の靭帯(じんたい)も損傷したにもかかわらず、殴打されて服もないまま24時間放置された―と暴露し「これは軍隊ではない。指揮官たちは肩章を付けたおおかみ人間」だ、と絶叫した。
指揮官たちが自分たちの犯罪を隠蔽(いんぺい)するために、兵士たちを死地へと追放する事例も紹介された。ある18歳の兵士は戦闘投入の直前、「もし自分が1日か2日のうちに連絡しなかったときは動画を公開してほしい」と涙を流しながら撮った動画を母親に送った。彼は指揮官の指示で、同僚の兵士たちから1万5000ドル(現在のレートで約235万円)集めて賄賂として上納したが、指揮官が贈収賄の証拠を隠滅するために自分を自殺攻撃作戦に投入したというのだ。この兵士は現在、行方不明者に分類されており、母親は「指揮官たちを殺人容疑で捜査してほしい」と要求したが、息子の遺体は発見されなかったという理由で黙殺された。
ロシア軍の指揮官たちがこうしたやり方で、賄賂強要・虐待など自分たちの犯罪の証拠隠滅のため特定の兵士を自殺攻撃作戦に故意に投入したり、同僚の兵士たちに命令して殺害したりするケースは珍しくなく、これを「ゼロ・アウト(ゼロで合わせて決算すること)」と呼ぶ―とNYTは報じた。
パリ=ウォン・ソンウ特派員
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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