▲写真=UTOIMAGE
タイ東北部ナコンラチャシマ県で14日、高速鉄道工事現場の大型クレーンが落下し、真下を走っていた列車を直撃する事故があり、韓国人1人を含む32人が死亡した。在タイ韓国大使館によると、40代の韓国人男性がタイ人妻と婚姻手続きを終え、列車に乗り合わせて事故に遭った。今回の事故は中国の対外拡張戦略「一帯一路」の一環として、中国雲南省からタイ、ラオス、マレーシア、シンガポールを結ぶ鉄道網構想の一部だ。事故..
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タイ東北部ナコンラチャシマ県で14日、高速鉄道工事現場の大型クレーンが落下し、真下を走っていた列車を直撃する事故があり、韓国人1人を含む32人が死亡した。在タイ韓国大使館によると、40代の韓国人男性がタイ人妻と婚姻手続きを終え、列車に乗り合わせて事故に遭った。今回の事故は中国の対外拡張戦略「一帯一路」の一環として、中国雲南省からタイ、ラオス、マレーシア、シンガポールを結ぶ鉄道網構想の一部だ。事故当時はタイ国鉄在来線の上部に高速鉄道の高架を設ける工事を進めていたが、在来線列車の運行は規制されていなかった。
タイ高速鉄道は2017年に着工された後、資金調達の行き詰まりと頻繁な設計変更で工事が遅れ、完成時期も21年から30年へと9年先送りされた。事故翌日の15日、バンコク郊外サムットサコン県の高架道路の建設現場でもクレーンが倒れ、乗用車が巻き込まれ、2人が死亡した。この事故は一帯一路とは関係ないが、施工業者が前日に高速鉄道建設現場で事故を起こした企業であることが明らかになり、国民的な怒りを買っている。
今回の事故を契機に、中国が一帯一路の一環として全世界に建設中または完成させた鉄道プロジェクトに波紋が広がる可能性も指摘されている。鉄道は2013年に中国の習近平国家主席が提唱した「一帯一路」の重要分野だ。しかし、施工段階で事故が発生したり、完成した鉄道の運営過程でさまざまな問題が浮上したりするケースが後を絶たない。
東南アジアでの一帯一路鉄道事業の一つであるインドネシア高速鉄道は2023年に第1段階のジャカルタ~バンドン間(142キロ)が完成したが、工事段階からさまざま問題が浮上し、現地政府にとってリスク要因となり、法的措置の対象になる可能性まで指摘された。習主席がインドネシアを訪問した際に試乗して2カ月後の2022年12月、試運転中の脱線事故で作業員2人が死亡した。土地収用などが先送りされ、工事費は雪だるま式に膨らみ、事業費は当初見込みよりも17億ドル(約2690億円)増えた。それがインドネシア政府の財政負担になり、世論が悪化した。同国の汚職防止委員会は昨年10月、事業全般に対する調査に着手した。
ラオスの首都ビエンチャンと中国雲南省をつなぐ全長414キロのラオス-中国高速鉄道も21年に完成後、論議を呼んでいる。最大7000戸が強制移住させられ、工事期間中に中国人労働者と現地住民の摩擦が続いた。有名な観光地バンビエン付近で汚染物質が流出するなど環境問題にも発展した。事業費は中国とラオスが7対3の割合で負担し、ラオスは大半を長期借款で賄い、いずれは中国の銀行に返済しなければならない。このため、ラオスもギリシャ、パキスタン、スリランカなどに続き、一帯一路で債務を抱え込むのではないかとの見方が出ている。シンガポール紙ストレーツタイムズは「高速鉄道開通で中国人観光客が押し寄せてきているが、ラオスは借金を背負い、将来が不透明になったラオス人が国を離れつつある」と伝えた。
同様の状況はアフリカでも続いている。安全保障専門メディアのアフリカディフェンスフォーラムはこのほど、一帯一路で現代的な鉄道を建設したケニアの状況を紹介した。17年に港湾都市モンバサから首都ナイロビを経て南西部のナイバシャをつなぐ全長592キロの鉄道が完成した。長期的にブルンジ、ルワンダ、南スーダン、コンゴ民主共和国との接続も計画されていた。8年が経過した現在、この鉄道はケニア経済を脅かしている。ケニアの対中債務はアフリカ各国で4番目に多い96億ドルにまで増加した。今年返済分だけで10億ドルに達する。財政難で第2段階の工事が遅れ、現地では「どこにも行けない鉄道」という皮肉なニックネームまで登場した。
東欧セルビアでは2024年11月、第2の都市ノビサド駅の駅舎外側の屋根が崩落し、15人が死亡した。一帯一路の一環として鉄道整備を受注した中国企業が改装工事を終えて供用が開始されてから5カ月後の惨事だった。手抜き工事を批判する大規模な反政府デモが数カ月間続き、昨年1月にミロシュ・ブーチェビッチ首相の辞任につながった。
一帯一路の鉄道プロジェクトに対する疑問が高まり、着工と完成が予想より遅れるケースが相次ぐとの見通しもある。中国と中央アジアを結ぶ鉄道がその一例だ。ウズベキスタンの首都タシケントからキルギスを経て中国新疆ウイグル自治区のカシュガルに至る全長523キロの鉄道の起工式が昨年12月27日、キルギス南部のジャララバード州で開かれた。1997年の3カ国による覚書の締結をきっかけとして推進された同事業は、一帯一路の重要事業として位置づけられている。しかし、事業費の分担問題に加え、麻薬やテロの侵入につながるという安全保障上の懸念が高まり、事業は30年近く迷走した。ようやく着工したものの、完成予定(2030年)が守られる可能性は低いとの見方が支配的だ。
韓国のシンクタンク、世宗研究所のイ・サンヒョン名誉研究委員は「一帯一路は中国が米国主導の世界秩序に対抗して勢力を拡大しようとする戦略であると同時に、国内で過剰生産された資材や人材を排出するルート」だとし、「急速に中国式の発展モデルを示そうとしたためにさまざまな論争が絶えない」と指摘した。
アン・ジュンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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