▲イラスト=UTOIMAGE
いわゆる「36週堕胎事件」で起訴された病院長に対する一審裁判で検察は懲役10年を求刑した。検察は執刀医と中絶した女性にも殺人容疑を適用し、いずれも懲役6年を求刑した。判決は3月4日に言い渡される。
【写真】妊娠36周の胎児エコー写真と妊婦のおなか
検察はソウル中央地裁刑事33部(李珍官〈イ・ジングァン〉裁判長)で開かれた裁判で病院長のユン某被告(81)に懲役10年と罰金500万ウォン(約53万円)..
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いわゆる「36週堕胎事件」で起訴された病院長に対する一審裁判で検察は懲役10年を求刑した。検察は執刀医と中絶した女性にも殺人容疑を適用し、いずれも懲役6年を求刑した。判決は3月4日に言い渡される。
【写真】妊娠36周の胎児エコー写真と妊婦のおなか
検察はソウル中央地裁刑事33部(李珍官〈イ・ジングァン〉裁判長)で開かれた裁判で病院長のユン某被告(81)に懲役10年と罰金500万ウォン(約53万円)を求刑した。またこれまで人工妊娠中絶手術で得た11億5016万ウォン(約1億2300万円)の追徴を裁判長に求めた。検察は執刀医のシン某被告(62)と胎児を中絶したクォン某被告(26)にはいずれも懲役6年を求刑した。ブローカーのハン某被告には懲役3年と追徴金3億1195万ウォン(約3330万円)、別のブローカーのペ某被告には懲役1年6カ月を求刑した。
被告らは昨年6月に妊娠34-36週のクォン被告に帝王切開手術を行い出産させた上で、事前に準備した四角形の布に包んで冷凍庫に入れ殺害した疑いがある。事件はクォン被告自らユーチューブに手術後の写真を公開したことで発覚した。検察の捜査によると、ユン被告は病院経営が苦しくなった際、妊娠中絶手術を通じて収益を得る経営に転換したという。その後2022年8月から24年7月までにブローカーから妊娠中絶を求める527人の妊婦の紹介を受け、総額14億6000万ウォン(約1億5600万円)の収益を得た。
妊娠24週後の妊娠中絶は母子保健法により禁じられているが、2019年4月に憲法裁判所は同法が憲法違反との決定を下した。そのため刑法上の堕胎罪は廃止され現状では処罰の根拠がない。検察は「被告らは法律の穴をかいくぐり生命権を侵害する重大な犯罪を行った。クォン被告は胎児がいつ、どのように死亡したか確認もせず、手術後に死亡したことを未必ではあるが認識していたと考えられる」と指摘した。その上で検察は「帝王切開手術において麻酔や処置が始まれば分娩(ぶんべん)とするのが従来の判例の趣旨だ」とも説明した。分娩後の胎児は刑法で保護される「人間」という意味だ。
クォン被告の弁護士は最終弁論で「クォン被告は手術開始と同時に全身麻酔状態だったので、生きて産まれた胎児を殺害する意図はなかった」「堕胎罪が憲法違反とされ、立法の空白の中で発生した事件に殺人罪を適用するのは無理がある」と主張した。クォン被告自らユーチューブに治療過程を掲載したことも「意図的ではなかったからだ」と指摘した。
クォン被告は裁判で「胎児を死なせた罪の意識を一生背負って生きたい」としながらも「ブローカーから胎児は死産だったと聞いた。生きて産まれることを知っていれば手術はしなかった」と訴えた。ただその一方で「あの時は経済的に苦しかったので、子供を生んでも幸せに育てる自信はなかった」とも述べた。
病院長のユン被告は最終陳述で「45年間に1万人の子供を出産させた医師として誇りを持って生きてきたが、ブローカーと協力する過ちを犯した」「全ての責任は私にあるので、執刀医には善処をお願いしたい」と裁判長に求めた。執刀医のシン被告もうなだれながら「やってはならないことをした」と述べた。
キム・ウンギョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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