▲閔中基・特別検察官/写真=NEWSIS
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人の一家の「執事」と目されていたキム・イェソン被告が9日、会社の資金を横領した容疑で起訴された事件の一審で、公訴棄却と無罪の判決を受けた。公訴棄却と無罪の判決が出た事件は、閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)チームが昨年7月の捜査開始直後から「金建希執事ゲート」と称して6カ月間捜査してきた、キム被告本人とその周辺の事案..
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▲閔中基・特別検察官/写真=NEWSIS
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人の一家の「執事」と目されていたキム・イェソン被告が9日、会社の資金を横領した容疑で起訴された事件の一審で、公訴棄却と無罪の判決を受けた。公訴棄却と無罪の判決が出た事件は、閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)チームが昨年7月の捜査開始直後から「金建希執事ゲート」と称して6カ月間捜査してきた、キム被告本人とその周辺の事案だ。特検チームは、金夫人との関連性が見いだせないままキム被告個人の不正(横領)だけで事件を裁判にかけ、「別件捜査」だと批判されてきたが、裁判所でブレーキがかかったというわけだ。閔特検チームが起訴した国土交通部(省に相当。国土部)書記官と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)元世界宣教本部長に続き、公訴棄却判決は今回のキム被告で3件目になる。
【表】公訴棄却または無罪となった閔中基特検の捜査
ソウル中央地裁刑事26部(裁判長:李炫坰〈イ・ヒョンギョン〉部長判事)はこの日、キム被告が自身の所有する会社から虚偽の給与および外部委託などの手法でおよそ24億ウォン(現在のレートで約2億5600万円。以下同じ)の資金を横領した容疑について、公訴棄却の判決を下した。裁判部は「(この事件は)特検の捜査対象の疑惑とは無関係とみられる」とし「金夫人との関連性を認め難い被告個人の横領」だと判示した。また裁判部は、レンタカー会社のIMSモビリティーが大企業などから投資された184億ウォン(約19億7000万円)のうち24億3000万ウォン(約2億6000万円)をキム被告が着服した容疑に関しては「経済的利益が実現する過程で起きた行為とみられ、横領行為とは断定し難い」として無罪を言い渡した。キム被告は即日釈放された。
同じく9日、ソウル中央地検刑事21部(裁判長:李炫馥〈イ・ヒョンボク〉部長判事)は、金夫人に1億4000万ウォン(約1500万円)相当の李禹換(イ・ウファン)画伯の絵画をプレゼントして国会議員候補公認と公職任命などを請託した容疑(請託禁止法違反)に問われている金相玟(キム・サンミン)元部長検事に対し、無罪を言い渡した。この事件も、閔特検チームが起訴した事件だ。裁判部は「特検が提出した証拠だけでは被告人が絵画を直接購入して金夫人に渡したことが証明されない」と判じた。ただし裁判部は、金・元部長検事が2024年の総選挙を前に、選挙運動用の自動車のリース費など4100万ウォン(約440万円)を別の実業家に負担させた容疑(政治資金法違反)は有罪と判断し、懲役6カ月・執行猶予1年を言い渡した。
9日のキム・イェソン氏と金相玟・元部長検事に対する判決を巡り、韓国法曹界からは「捜査期間を通してずっと物議を醸してきた閔中基特検チームの無分別なやり方が、裁判所で正されている」という評価が出た。先に裁判所は1月22日、「ソウル―楊平高速道路特別待遇」疑惑に関与した国土部書記官が金夫人と無関係の賄賂を受け取った容疑で起訴された事件でも、公訴棄却を言い渡した。この書記官は高速道路の終点を金夫人一家の土地がある方へ移すことに関与した容疑により、特検の捜査対象になった。捜査の過程で、外部委託業者の代表から3600万ウォン(約380万円)相当の金品を受け取った状況が明らかになり、起訴された。だが裁判部は「背任と収賄の2事件に共通する証拠物がなく、犯行の時期も異なり、(金夫人関連の疑惑とは)関連性がない」と判断した。同月28日にも裁判所は、韓鶴子(ハン・ハクチャ)世界平和統一家庭連合総裁の「違法遠征賭博」疑惑に関連する証拠隠滅の容疑で閔特検が起訴した尹鍈鎬・元世界宣教本部長について、「特検の捜査対象ではない」として公訴を棄却した。
検事長出身のある弁護士は「裁判所の相次ぐ公訴棄却と無罪判決は、結局のところ特検の捜査が無理だったという傍証」だとし「特検が金夫人関連の疑惑を究明するために別件捜査など無理な手を打ち、結果として無実の被害者ばかりを生むことになった」と語った。別の法曹関係者は「これほどだと、閔特検チームの捜査に深刻な問題があったとみるほかない」とし「政治的責任はもちろん、法的責任を巡る議論が起きることもあり得る状況」と述べた。
閔特検チームは6カ月の捜査期間で計126人(重複除く)を起訴したが、別件捜査をはじめ強圧捜査、偏向捜査など多くの論争を呼び起こした。勾留された20人のうち半数を超える11人が金夫人と無関係の容疑で起訴された。昨年10月には「楊平公興地区特別待遇」疑惑で捜査を受けた楊平郡庁の公務員が自ら命を絶ち、この公務員を取り調べていた警察官4人が逆に捜査対象になった。また、閔特検チームは旧統一教会の「政教癒着」疑惑を捜査するに当たり、進歩(革新)系与党「共に民主党」関連の供述を確保しても捜査をもみ消し、「偏向」論争を引き起こした。このため閔特検は、高位公職者犯罪捜査処の捜査を受けている。
さらに閔特検チームが捜査した金建希夫人本人の事件も、一審でかなりの部分が無罪判決を受けた。裁判所は1月28日に金夫人の事件の一審で、中心的な三つの容疑のうちドイツ・モータース株価操作と、政治ブローカーのミョン・テギュン被告関連の公認介入について無罪と判断した。旧統一教会側から請託と共にシャネルのバッグおよびネックレスなどを受け取ったあっせん収賄容疑の一部に限って有罪と認め、懲役1年8カ月を言い渡した。
特検チームは9日の二つの判決について「納得し難い」として控訴する方針を明らかにした。
イ・ミンジュン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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