▲尹錫悦・前大統領/写真=写真共同取材団
ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)が19日に判決の言い渡しを行う尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀者容疑事件の争点は、大きく分けて三つある。韓国刑法上の内乱罪の構成要件である「国憲紊乱(びんらん)目的」と「暴動」があったかどうか、非常戒厳直後の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の内乱捜査は適法だったか、などだ。
【表】被告人・尹錫悦の内乱裁判 主な争点
■国憲紊..
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▲尹錫悦・前大統領/写真=写真共同取材団
ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)が19日に判決の言い渡しを行う尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀者容疑事件の争点は、大きく分けて三つある。韓国刑法上の内乱罪の構成要件である「国憲紊乱(びんらん)目的」と「暴動」があったかどうか、非常戒厳直後の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の内乱捜査は適法だったか、などだ。
【表】被告人・尹錫悦の内乱裁判 主な争点
■国憲紊乱目的・暴動はあったか
最大の争点は、戒厳宣布の目的だ。趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)は今回の事件を「権力欲から始まった親衛クーデター」と決め付けた。尹・前大統領と金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相などが2023年下半期から軍の人事を通して親政体制を構築し、野党代表など主な政治家の逮捕を事前に謀議したというのだ。特検は、こうした状況を収めた「ノ・サンウォン・メモ」を中心的な証拠として提示しつつ「戒厳の実体は長期政権のための憲法破壊」と主張した。
逆に尹・前大統領側は、特検が提示した手帳やメモなどについて「検察の想像力が加味された小説」だとした。尹・前大統領側は最近、裁判部に最後の意見書を提出し「親衛クーデターは内乱罪の法的要件とは無関係の政治的枠組み」だと主張した。また、1980年の5・17新軍部クーデターとの差異を浮き彫りにしつつ「5・17当時は『K工作計画』など事前の政権樹立シナリオが緻密に準備されており、国家保衛非常対策委員会(国保委)設置など新たな統治構造が稼働したのに対し、12・3戒厳は国会を解散させたり司法権を掌握したりするための政治的・軍事的計画はなかった」と述べた。
内乱罪が認められるには、国憲紊乱目的のほかに「暴動」という実際行為も伴っていなければならない。特検は、戒厳宣布直後に軍・警が国会を封鎖し、特殊戦司令部が本会議場入りを試みて議員たちを引っ張り出そうとしたこと自体が暴動だと見なした。中央選挙管理委員会の占拠と政治家逮捕の試みも暴動の一環だとした。これに関連して尹・前大統領側は「実弾の支給もなく、国会議員の本会議場入りを実際に妨げることもなかった」と反論した。内乱罪が成立するに足る暴動・脅迫はなかった―という主張だ。
■公捜処の内乱罪捜査、適法だったか
19日の言い渡しでは、公捜処の捜査手続が適法だったかについての結論も出る。韓国の現行法上、公捜処は内乱罪を捜査できないが、公捜処と特検は「公捜処の捜査対象である職権乱用容疑を捜査する過程で発見した『関連犯罪(内乱容疑)』として捜査権がある」という立場だ。逆に尹・前大統領側は「公捜処には捜査権が無く、起訴自体が無効」と主張して対抗した。池貴然(チ・グィヨン)裁判部は昨年3月、尹・前大統領側に対する勾留取り消し決定を下した際に「公捜処法に明確な規定が無く、これに関する大法院(最高裁)の確立した解釈や判断も無い」と述べていた。
ただし、尹・前大統領の「公捜処逮捕妨害」事件の一審は、尹・前大統領に懲役5年を言い渡した際、「公捜処が尹・前大統領の職権乱用を捜査する過程で、自然に内乱容疑が現れることは避けられない関連性が認められる。公捜処は内乱首謀者関連の容疑を捜査できる」と判断した。
■有罪なら量刑は…「反省なき態度」が変数
有罪が認められた場合、量刑が最大の関心事だ。韓国刑法上、内乱首謀者は死刑・無期懲役・無期禁固に処することとなっているが、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領が唯一の先例だ。全・元大統領は1996年に一審で死刑を言い渡され、控訴審で無期懲役に減刑された。大法院で無期懲役が確定したが、その後、赦免を受けた。
最終的な量刑は裁判部が犯行動機や経緯、被害の程度、犯行後の態度などを総合して決定するので、尹・前大統領に有期懲役が言い渡されることもあり得る。しかし特検は「被告人は反省しておらず、量刑に考慮すべき事由はない」との立場だ。尹・前大統領は裁判中、終始「平和的な対国民メッセージ」だと主張し、特検の捜査に向けては「妄想に基づいた小説」と非難してきた。裁判に16回も出廷しなかったことも量刑面で不利な要素に挙げられる。
一方、19日の裁判では、尹・前大統領と共に内乱容疑で起訴された金竜顕・前国防相、趙志浩(チョ・ジホ)前韓国警察庁長など元職の軍・警関係者7人に対する判決も下される。ただし、被告人8人のうち1人でも出廷しない場合、宣告の日程に大きな支障が生じかねない。今月23日に裁判部の交代が予定されており、その前に言い渡しが行われないと「公判更新手続き」で日程が数カ月遅れることもあり得るからだ。
キム・ウンギョン記者、オ・ユジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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