「テロリストは安重根ではなく伊藤博文」(上)

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ハルビン義挙100周年「安重根の生涯と夢」学術会議開催

「思想家・安重根」に再照明


 「安重根(アン・ジュングン)はテロリストではない。むしろ、日本帝国主義の韓国侵略を主導した伊藤博文をはじめとする日本政府の要人や軍人こそがテロリストだ。安重根は、これら日本のテロリストと、“テロ国家”日本帝国主義に対する“対テロ戦争”を起こした人物だ」

 牧野英二・法政大教授が発表文を読み上げると、場内は静まり返った。牧野教授は23日、ソウルのプレスセンターで開催された「安重根の生涯と夢-大韓独立と東洋平和」と題した国際学術会議で、安重根をテロリストと見る日本や西欧の一部の視点に対し、くさびを打ち込んだ。テロリズムに関する最近の国際的研究の成果によると、日本が軍隊を派遣して韓国を暴力で支配し、植民地化した行為こそ、組織的な「テロ」に該当するとしている。牧野教授は安重根を、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領と比較しつつ、「安重根が日帝のテロで犠牲にならなければ、韓国復興の中心的役割を果たし、マンデラ元大統領のようにノーベル平和賞を受賞していた可能性もある」と語った。

 この日の学術会議は、安重根のハルビン義挙100周年に合わせ、安重根義士崇慕会(アン・ウンモ会長)と安重根義士記念館(キム・ホイル館長)が主催し、国家報勲処と本紙が後援して行われた。韓国や中国、日本、ロシアの研究者らが参加し、東洋平和論を唱えた「思想家」安重根に集中的にスポットを当てた。キム・ホイル館長は基調講演で、「安重根の東洋平和論は、当時、韓中日3国がそれぞれ独立国家として主権を維持しつつ、西欧帝国主義の侵略に共同対処する一方、内部では3国が共に繁栄を図る案を具体的に提示した政策理論だった」と語った。さらにキム館長は、「安重根の東洋平和論は、ヨーロッパ連合(EU)をもたらしたヨーロッパ統合の先行理論で、最近韓中日首脳会談で構想中の北東アジア経済協議機構の源だといえる」と評価した。

キム・ギチョル記者
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