【萬物相】韓半島と津波

【萬物相】韓半島と津波

 地球の表面は、厚さが平均100キロほどのリソスフェア(岩石圏)で覆われており、その下に流動性を持つアセノスフェア(岩流圏)がある。堅い表面はプレートと呼ばれる十数枚の大小の岩盤に分かれ、互いにかみ合った状態でアセノスフェアの上を漂っている。プレートは互いに押し上げ合い、ヒマラヤ山脈のような高い峰を作ることもあれば、衝突したり一方のプレートの下に沈み込んだりして、地震や火山噴火のような災害を引き起こすこともある。

 海洋プレートが揺れ動くと、海水が上下に動く。その波動は、池に石を投げ込んだときのように、同心円を描きながら広がっていく。波長(波の山から次の波の山までの長さ)が数十キロに達するうねりで、波の高さも1-2メートルほどにしかならず、海中では感じることさえ難しい。だが、そのうねりが海岸に達するとき、波長が短くなり波の高さが増し、巨大な津波に変わる。「津波」という日本語は、1963年に国際公用語となった。

 津波の速度は海の深さに比例する。平均水深が4.2キロの太平洋では秒速204メートル、時速737キロで進む。そうはいっても、秒速3-6キロで伝わる地震波に比べ遅い。地震波の観測さえきちんと行えば、津波の予測と避難は可能ということだ。韓国の国立防災研究所がシミュレーションしたところ、秋田県西側の活断層地域でマグニチュード(M)8.0の大地震が発生した場合、津波は1時間36分で江原道の束草海水浴場に到達するという結果が出た。海岸から陸地へ50メートルの範囲で、0.8メートルの高さで浸水すると予測される。

 南側の三陟港、慶尚北道盈徳郡の河口港には、やや時間を置き、3.27メートルの浸水が予想される巨大津波が襲うと見込まれる。実際に、1983年に秋田県西方でM7.7の地震が発生した際には、津波により韓国東海岸一帯で3人の死者・行方不明者が出た。93年の北海道沖での地震(M7.8)では、韓国で船舶35隻が破壊された。

 韓国はユーラシア・プレートの上に載っており、プレートの境目にある日本に比べ地震や津波のリスクが少ないことは事実だ。だが、完全に心配ないとはいえない。プレートの下の奥深くを震源とする、原因の分からない地震も発生し得る。78年に地震観測を始めて以来、韓半島(朝鮮半島)でもM2.0以上の地震が891回発生した。地震のモニタリングや観測、警報、避難体系など、防災システム全般に対する徹底した点検と備えが求められる。

金亨基(キム・ヒョンギ)論説委員

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