北新体制:金正恩氏を読み解く五つのキーワード

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去したことで、後継者となる若干29歳の金正恩(キム・ジョンウン)氏に北朝鮮の未来が託されることになった。

 北朝鮮の政治体制は非常に閉鎖的なため、金正恩氏の実像は今も多くのベールに包まれている。昨年9月に正式な役職に就くまでは、その名前も正確には伝わっていなかった。韓国政府の公式資料『北朝鮮の主要人物』に記載されている関連情報もわずか数行しかない。また金正恩氏の肉声も外部に伝えられたことがない。

■幼いころから金総書記の愛情を一身に受ける

 北朝鮮による公式の発表によると、金正恩氏は1982年1月8日生まれだという。母親は元在日朝鮮人舞踊家で、日本から北送船で北に渡り、金総書記の三番目の妻となった高英姫(コ・ヨンヒ)氏だ。金正恩氏は幼いころから勝負に対する執念が強く、スポーツ万能でリーダーシップもあり、外見も祖父の金日成(キム・イルソン)主席によく似ていたことから、父の金総書記の愛情を一身に受けて育ったという。

 金正恩氏は1998年から2000年まで、スイスのベルンにある国際学校に留学し「パク・ウン」という偽名を名乗って在学していた。スイス留学時代はバスケットをはじめとするスポーツや映画、コンピューターなどへの関心が高かったという。また、02年から07年までの5年間は、朝鮮人民軍幹部の養成機関に当たる金日成軍事総合大学に通った。複数の北朝鮮問題専門家は金正恩氏について「スイスから帰国した後に指導者としての教育を受け始めたのではないか」とみている。金正恩氏は後継者として正式に指名されるまで、住民の間で「青年大将」と呼ばれていた。

キム・ミンチョル記者
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