アレルギーで命落とした日本人少女の詩が歌に

「わたしはみんなとちょっとちがう でもそれでいい」
生前に残した希望の詩
歌手が歌にして同級生たちと合唱

 19日付の朝日新聞に、東京・調布市で2012年12月、給食を食べてアレルギーによるショックのため亡くなった小学5年生の沙清さん(当時11歳)の話が掲載された。3年前に亡くなった少女の話が今、なぜ記事になったのだろうか。

 沙清さんが給食で食べたのはチヂミだった。みんな同じものを食べたが、ほかの子どもたちには異常がなく、沙清さんだけがショックを起こした。沙清さんには乳製品に対するアレルギーがあった。新生児100人中2-3人の割合で現れるアレルギーで、このアレルギーを持つ子どもたちは牛乳を口にするとじんましんが出たり、消化不良を起こしたり、血便が出たりする。まれにショックのため呼吸不全に陥るケースもある。

 原因となるのは牛乳だけではない。このアレルギーを持つ子どもたちはほかの子どもたちとは違うものを食べなければならないことが多い。乳製品は広範囲にわたる。アイスクリームも、パンやクッキーも、チーズやバターも牛乳から作られている。沙清さんの学校ではその日、給食にチヂミが出た。「食べ物を残さない」という目標を達成しようと、学校側が子どもたちにおかわりのチヂミを配ったところ、そこにチーズが入っていたのだ。

 葬儀には絵本歌アーティストの西村直人さん(51)も来た。西村さんは絵本コンサートで沙清さんと知り合い、親しくしていた。沙清さんが小学校4年生の時、学校で作った版画を見せてもらった。黒い背景に白い猫が恥ずかしそうに笑っていた。その横には沙清さんが書いた詩もあった。

 「わたしはみんなとちょっとちがう/ちょっとしっぽがみじかいし/ちょっとひげがながい/でもママが「それでいいのよ」っていってたの」

 西村さんは沙清さんの家族に「歌にしたい」と申し出て、承諾をもらった。ただし、条件が1つあった。それは「かわいそうではなく、幸せな子だったと伝えてほしい」というものだった。

 西村さんが曲を書き、歌手の宇井かおりさん(44)が歌を歌った。そして、コーラスは沙清さんの同級生30人が務めた。宇井さんの後ろで 「ちょっとちがう ちょっとちがう」と合唱しているのが同級生たちだ。完成した曲は今年1月、ユーチューブにアップした。

 朝日新聞の記者は西村さんのコンサートに行った時、この歌を聞いた。簡単で明るいメロディーだが、病気の子どもを育てている親たちはこの歌を聞いて涙する。コンサートが終わった後、西村さんに「ほかの子と比べて悩んでいたが励まされた」「子どもの障害を『違い』として受け止められた」と声を掛ける人も多いという。

 沙清さんの母親(53)は「沙清は本当に明るくて楽しいことが好きな子だった。本をたくさん読んで、ピアノが好きで友達も多かった。その意味で本当に幸せだったと思う」と本紙に沙清さんの版画を送ってくれた。

 沙清さんは「大きくなったら自分のようにアレルギーのある子どもを助ける科学者になりたい」と言っていた。ヘレン・ケラーを尊敬していたのも、人の役に立つ人物だったからだ。この歌と沙清さんの猫の版画はユーチューブ(www.youtube.com/watch?v=VVdvTd6uzRw)で公開されている。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員
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