「歴史を忘れる日本人と忘れない韓国人、それでも共生を」

韓中日の文明批評書『風水火』を出版した当代最高の数学者、金容雲・漢陽大学名誉教授

-韓民族のアイデンティティーは、百済・高句麗が滅亡した後、新羅が対唐戦争を行う過程で形成されたものだ。百済・高句麗の遺民を引き入れるため、『三韓統一』のイデオロギーをつくり出した。それ以前は、3国間に同じ民族という連帯感はなかったというのが定説だ。新羅の3国統一がなかったら、韓民族はなく、今の大韓民国も存在し得なかった。

 「百済と新羅はほとんど同じ言葉を話していたので、民族的感情があったのだろう」

-今回の本で、韓国人は日本人の内面世界を全く理解できていないと書いているが、どういう点を言っているのか。

 「日本は火山列島だ。地震や火山などで、大災害には慣れている。そのたびに、素早く被害を覆い隠して忘れ、新たな方向へ向かう。過ぎ去った過去は記憶しない。『あっさり』しているので、歴史意識がないのだ。そんな日本の立場からすると、政権が変わるたびに繰り返し謝罪を要求してくる韓国は理解できない」

-だが「被害者が受け入れるまで謝罪すべき」と語る日本の知識人もいるではないか。

 「人類の歴史は戦争の歴史だ。日本人は、戦争は犯罪行為ではなく国家生存の手段だと信じているのに、本当に誤っていたと考えるだろうか。それでも対日外交を過去史問題で一貫させてきた韓国人は、独特ではないだろうか」

-過去を直視しない日本の方が独特なのではないか?

 「歴史を簡単に忘れる民族と簡単には忘れない民族、不幸な出会いだ。韓国人は、人が死んだら『お戻りになった』という。原点に戻るということだ。原点では、常に再スタートする。過去史について繰り返し謝罪を要求するのがそれだ。これに対し日本は、人が死んだら『逝く』といい、それで終わる」

-それで終わるなら、なぜ神社や寺で死者のために追悼を行い、戦犯神社参拝で韓国人を刺激するのか。

 「日本人は、死んだ人間を『仏』と呼ぶ。戦犯も、泥棒も、死ねばそれで終わって仏になる。靖国神社参拝をめぐって何か言うと『仏様にお参りすることの何が悪い』と言う。コメディー漫画のようだが」

-日本人の原型には『甘え』要素があると書いていた。

 「強い人間や権力に甘えるということだ。一方韓国は、権力に対して甘えない。その代わり、村中で『ごり押し』して回る。日本が自ら変わるよう引っ張るためには、韓国の国の格や品位を上げなければならない」

-戦後賠償問題に関して、中国は『報怨以恩』として、日本から戦後賠償名目で一銭も受け取らなかったが?

 「そうして人心を得て、後に日本の資本や技術が導入されるという実利を得た。中国の外交術は、韓国とは比較にならない。外交では感情を露わにするのではなく、国家利益を得るのだ」

-金教授は日本で生まれ、解放されるまで暮らしていた。無意識のうちに日本の肩を持つ気持ちがあるのではないか。

 「日本では、私を『反日論者』と思っている、20年前に日本で『醜い韓国人』という本が出たことがあった。これに対抗して、私が『醜い日本人』を出した」

崔普植(チェ・ボシク)記者
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