【萬物相】就活向け加工写真の弊害

 このような事態は、フォトショップを利用する志願者だけのせいにはできない。たった1枚の顔写真が合否に影響を及ぼすからだ。ある就職情報サイトが面接担当者たちに尋ねたところ、10人中9人が「履歴書の写真が採用に影響を与える」と答えたのは、苦々しいことこの上ない。先進国では(原文ママ)履歴書に写真を貼るスペースがない。性別や年齢、国籍、宗教、家族なども問わない。外見や性別、私生活で差別をしないという趣旨によるものだ。顔写真ばかりか身長や体重、血液型まで問う国は韓国しかないだろう。

 米国マイクロソフト社のグローバル施策担当社長のグレッグ・シェンク氏は少し前、インドのデリーで行われた国際会議で、有能な社員を採用したという逸話を紹介した。電話でインタビューを行ったところ、専門知識はもとより、生き方についての哲学、将来のビジョンについても完璧に答えたという。採用を決定した後、実際にこの志願者に会った。シェンク氏の前に現れたのは、車いすに乗った障害者だった。その瞬間、自らの偏見について反省した、とシェンク氏は語った。「多様性が生産性や競争力を生み出す源泉だとすれば、私たちはいかなる偏見も持たずに人に接する必要がある」

金潤徳(キム・ユンドク)論説委員兼文化部次長
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