【コラム】130年前の袁世凱を思い出した理由

 

 このため学界では、清が西欧の帝国をまねて、朝鮮を「二流の帝国主義」の実験対象にしたと分析している。一日も早く富国強兵を実現し、植民地に転落する危険から抜け出さなければならなかった朝鮮の立場からすると、袁世凱は近代国家建設の足を引っ張った「元凶」だった。



 思い出したくもない130年前の袁世凱の行いを振り返った理由は、少し前に邱国洪・駐韓中国大使が行った「非外交的暴言」のせいだ。邱大使は、終末段階・高高度防空ミサイル(THAAD)が韓半島(朝鮮半島)に配備されたら韓中関係が破壊されかねない、と脅迫した。外交的修辞をことごとく無視して「両国関係の破壊」を直接口にした邱大使の発言は、旧韓末の袁世凱の傲慢(ごうまん)さを思い起こさせるほど衝撃的だった。



 もちろん、袁世凱の内政干渉は、邱国洪大使の無礼とは比較にならないほど直接的かつ野蛮なものだった。袁世凱のやったことは、「上品に」警告する程度では済まなかった。直接軍隊を動員して高宗を廃位しようとして、朝鮮の上に君臨した。はっきりしているのは、邱大使の「暴言」のようなものが繰り返されると、韓国国民は条件反射的に旧韓末の袁世凱を思い出してしまう、ということだ。中国の武大偉・韓半島事務特別代表は、今月初めに訪韓して「韓中協力」を強調し、韓国人の不愉快な心情を「慰め」たが、こういうことが繰り返されると、韓中関係に深刻な亀裂が生ずるだろう。「戦略的協力パートナー」という韓中関係が内実を備えるためには、少なくとも、こうした敗着はなくさなければならない。

金基哲(キム・ギチョル)文化部長
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