壬申倭乱、国交正常化…京都に眠る韓日交流史

壬申倭乱、国交正常化…京都に眠る韓日交流史

【新刊】鄭在貞(チョン・ジェジョン)著『ソウルと京都の1万年』(乙酉文化社)

 ドイツの哲学者カール・ヤスパースは、ある仏像を京都で目にしたとき「人間存在の最も清浄な、最も円満な、最も永遠な姿の表徴」と激賞した。ところでヤスパースが見た広隆寺の宝冠弥勒菩薩(みろくぼさつ)半跏思惟(はんかしゆい)像は、韓国の国立中央博物館にある国宝第83号・金銅弥勒半跏思惟像とそっくりだ。二つの仏像は、いずれも韓半島(朝鮮半島)で作られたか、あるいは韓半島から日本へ向かった渡来人が日本で仏像を作ったというのが通説だ。

 ソウル市立大学国史学科の教授で東北アジア歴史財団の理事長も務めた著者は、ネーティブレベルの日本語を駆使する知日派の学者だ。著者は、1000年以上にわたって日本の都であり続け、外部からの侵略もなくよく保存された都市、年間5600万人の観光客が訪れる京都を「韓日交流史」の観点から細かく分析した。古代の韓半島からの移住者による文明伝達から、壬申(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役)、近代の侵略と国交正常化の歴史が、京都の随所に染み込んでいるという。504ページ、1万8000ウォン(約1670円)。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
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