自毛植毛手術で植物状態に、執刀医に懲役1年6月・執行猶予2年=ソウル中央地裁

 韓国の私立大学教授のAさんは2013年初め、薄毛に悩んだ末、ソウル・江南の形成外科クリニックで自毛植毛手術を受けた。

 クリニックの院長は手術の際、Aさんに麻酔薬のプロポフォールを投与し、後頭部の毛包や毛髪などの頭皮組織を切除した。だが切除した部位の止血と縫合を行うとき、Aさんの血中酸素濃度(酸素飽和度)が急激に低下。急いで大学病院に運ばれたが、一時的に酸素が脳に十分供給されない状態となり、脳に致命的な損傷を受けた。今なお体が不自由で意思疎通も難しい状態だ。

 Aさんの家族はこの院長を検察に告訴。クリニック側は手術時の応急処置が不十分だっただけでなく、緊急状況への備えもしていなかったことが、検察の調べで明らかになった。

 ソウル中央地裁刑事11部(キム・ガンサン裁判官)は25日、業務上過失致傷罪に問われたこの院長に懲役1年6カ月、執行猶予2年の判決を言い渡したことを明らかにした。キム裁判官は「手術で起きた副作用に被告がきちんと対処できなかった事実が認められる」と、判決の理由を説明した。同院長はAさんの家族が起こした損害賠償請求訴訟でも、8億7000万ウォン(約8500万円)の賠償を命じる判決を言い渡された。

ヤン・ウンギョン記者
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