韓国大統領は危険な職業だ。1980年以降大統領の座に就いた7人の運命を思い浮かべると、目まいがする。2人は監獄へ行った。1人は捜査を受ける過程で自ら命を絶った。前大統領は、21日に検察へ出頭する。憲法裁判所の弾劾事由と検察の適用容疑はかなりの部分で重なっており、法の網を避けることは容易ではないだろう。7人のうち4人が犯罪者の身分になったとすると、比率は57%になる。文明国に、こんな職業がほかにあるだろうか。
ほかに4人の大統領がいる。このうち2人は、内閣責任制および過渡期の大統領ということで、除外してもよさそうだ。残る2人には、「独裁者」という修飾語が付いてまわる。1人は50年間異国をさすらって独立運動に人生をささげたが、最後は太平洋の真ん中に浮かぶ亡命先の島で生涯を終えた。もう一人も、自分の足で大統領府(青瓦台)を歩いて出ることはかなわなかった。部下の銃弾に倒れたのだ。結局、9人の大統領のうち6人は、平穏な余生を送ることができなかった。不幸が大統領を襲う確率は67%に達する。無事であろうとするなら、幸運を期待しなければならない。先進国にも途上国にも、これに匹敵する事例はない。
危険な職業の第一に挙げられるのが、消防官だ。だが韓国大統領が不幸になる確率は、消防官の負傷率より何倍も高い。これまで大統領を経験した9人のうち、不幸を免れたのは3人だけというが、この話も事実とは隔たりがある。三人の大統領は在職中、子どもやきょうだいが監獄でつぶされる姿を見守らなければならなかった。結果的に、韓国大統領の誰もが、悲劇を避けて通ることはできなかった。こんな恐ろしい運命、こんな身の毛もよだつ法則の支配を受ける権力者が、どこにいるだろうか。