ぶら下がる21歳娘の腕を15分間離さず救助を待ち続けた49歳母 /光州

ぶら下がる21歳娘の腕を15分間離さず救助を待ち続けた49歳母 /光州

 「早くお父さんに電話して、玄関ドアの暗証番号を聞いて!」

 1日午後4時33分ごろ、光州広域市北区斗岩洞にあるマンションの12階。玄関前にいる警察と消防の間で緊迫したやりとりが交わされた。集まっていたのは、光州北部警察署斗岩地区隊(交番に相当)所属の警察官8人と、光州北部消防署所属の119救助隊員。マンションの住人から「若い女性が、窓のベランダの外にぶら下がっている」という通報を受けて出動した直後のことだった。

 玄関のドアが開かないのは、ドアを開けてくれる人がいないからだ。家の中にいるのは二人。知的障害3級の女性(21)と、その母親(49)だった。二人は、生涯で最も目がくらみそうな瞬間を迎えていた。マンションのベランダから飛び降り自殺を図った娘の腕を、母親がかろうじてつかみ、超人的な力で耐えていた。既に7分が経過していた。

 ドアの前にいたパク・ウソン斗岩地区隊長とキム・ミョンシク第1チーム長は、この家の21歳の娘が、平素から地区隊の隊員が「要注意人物」に分類していたまさにその女性だということを思い出した。女性はわが家のように地区隊へ出入りし、つまらないことでひんぱんに電話をかけてきた。警察は、万一に備えて女性の保護者の連絡先を記録しておいた。パク隊長とキム・チーム長は地区隊に電話して、あらかじめ確保しておいた娘の父親の電話番号を調べた。すぐに電話をかけてドアロックの暗証番号を聞き出した隊員らは、ドアを開けて中に入り、ぶら下がっていた娘と、つかんでいた母親を助け出すことに成功した。15分にわたって娘の腕をつかんでいた母親は、ようやく床に座り込んだ。前日に精神病院から退院した娘は、この日、再び入院した。

光州広域市=チョ・ホンボク記者
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