27日の国政監査で、「神の職場」と言われる韓国馬事会の放漫経営と職員の倫理観欠如が相次いで明らかになった。
与党・共に民主党の朴完柱(パク・ワンジュ)議員は、「馬事会が630億ウォン(約63億円)かけて作ったテーマパーク『ウィニーワールド』が経営不振で監査院監査の指摘を受け営業を中止したが、馬事会は『再び活性化させる』として8000万ウォン(800万円)の研究用役費を支出した。放漫経営の見本だ」と批判した。昨年10月に「馬のテーマパーク」を掲げてリニューアルされたウィニーワールドは膨らむ赤字に対処できず、今年6月に営業が中止された。
同党のキム・チョルミン議員によると、2008年以降、馬事会で47件の社宅無断居住が摘発された。馬事会は全国に世帯向け社宅299戸、単身者向け社宅81戸、社内宿泊施設41室を運営しているが、職員が退職・異動後も社宅を離れることなく居住し続けているという。例えば、A氏は16年2月に馬事会を退職し、馬事会傘下の公益財団「レッツ・ラン財団」事務局長になった。A氏は馬事会の社宅である京畿道安養市内のマンションに居住、昨年2月の馬事会退職と同時にマンションを出なければならなかったが、今年2月まで無断で居住し続けた。キム・チョルミン議員は「馬事会の社宅担当者が何度も『退去してほしい』と通知したが、A氏は無視して住み続けた」と指摘した。
中国陶磁器の専門家を装っていた馬事会幹部もいた。幹部B氏はあるメディアに、15年7月から16年2月までコラムを25回寄稿していた。キム・チョルミン議員は「B氏は寄稿文で『中韓古美術協会理事』を自称、『1000点余りの中国陶磁器を所蔵している』と書いていたが、すべての事実はなかった」と指摘した。馬事会に関連投書があったことから内部調査が行われ、B氏は警告処分を受けた。キム・チョルミン議員は「馬事会が軽い警告処分で終わらせたのは身内に甘いから」と批判した。
このほか、各レースで馬券を1人当たり10万ウォン(約1万円)まで買える「馬券購入上限制」違反がこの4年間で1万4004件摘発されたという事実も明らかになった。イ・ヤンホ馬事会長は、複数の議員からの相次ぐ追求に「国民の信頼を回復するため刷新策を推進している」と弁明した。