今後の鍵を握るのは米国の消費者たちだ。ベストバイの顧客がつけた家庭用洗濯機の満足度はLGとサムスン製品ではほとんどが4.5以上だったが、ワールプールは4をわずかに超える程度だ。特にLG電子は米国消費者顧客満足度指標(ACSI)の家電製品部門でも3年連続1位となっている。
このような好評を得る原動力は「絶え間ない革新」だ。米国のドラム洗濯機市場を最初に開拓した両社はスチーム、ジェット水流、三つのドア、二つの洗濯槽など顧客が求める革新的な機能を持つ新製品を立て続けに市場に投入した。そのため米国人たちでさえ「セーフガードによって上がった価格は消費者への負担として押し付けられる」「価格競争力は抑えられても、革新的な競争力は抑えられないだろう」などと語る。
今回の対決で韓国メーカーが勝利すれば、ワールプールのように防護幕の後ろに隠れる企業と米国産業全体が一層大きな打撃を受けるだろう。しかしこの種の問題がなぜ韓米間でのみ起こっているのだろうか。革新的で競争力のある製品は世界各国の厳しい保護貿易の障壁を突破する「不死鳥」のような武器だ。そのため経済成長の半分以上を輸出に依存する韓国は企業をより大切にし、革新をもっと積極的に後押ししなければならない。