だが、五輪の舞台で全力を出し尽くした2人は違っていた。李相花と小平は力強く抱擁した。小平が先に「あなたは私が尊敬する選手だ」と言い、李相花は「500メートルと1000メートルの両方で素晴らしい滑走をするあなたを誇りに思う」と言った。李相花は記者会見で、「あの選手」ではなく「奈緒」と下の名前で呼んだ。李相花は試合後、「フィニッシュラインを通過した後、『今、終わったんだ』という安堵(あんど)感から涙が出てきた。ソチ五輪後から金メダルを目指して突き進んできたが、その過程は本当につらかった。価値のある銀メダルを励ましてほしい」と言った。
李相花は平昌五輪を「『我が家』で行われる大会だ」と表現した。自国開催の五輪はソチ大会以降相次いだけがや、つらい練習に耐える原動力になった。8000人のファンの歓声に包まれ、李相花は表彰台の上で笑顔を見せることができた。
試合当日の18日、スタンドには両親と兄が来ていた。これまで娘の心の負担になるかと思って一度も競技場に来たことがなかった両親に、李相花は「今回はぜひ来て応援してほしい」とお願いした。李相花は「とても緊張したが、両親が一緒にいると思うと大きな力になった」と言った。4年後の北京五輪にも出場するか、という質問には、未練がある表情で「面白い質問だが、次の計画はよく分からない。一度じっくり休みたい」と答えた。