作品のタイトルにある「春」は、勤労挺身隊として動員され人生が一変した変化の時期と、遅まきながら自分の失われた人生を取り戻し、希望を芽吹かせている現在の時間を意味している。
同作は光州・全南漫画家協会所属のコン・ソンスルさんが描いた。女子勤労挺身隊の歴史をきちんと伝えたいという使命感からヤン・グムドクさんを集中的に取材するなど、情熱的に作業に臨んだ-と「市民の会」側は伝えた。
「市民の会」は3月13日に出版記念会を開き、同作を公共図書館や小・中・高校、地域児童センターなどに配布する計画だ。
「市民の会」のイ・グクオン共同代表は「漫画『二人の少女の春』は、まだ広く知られていない歴史である女子勤労挺身隊の問題を、小学生から大人まで誰でも簡単に理解できるようにする上で役立つだろう」と語った。
女子勤労挺身隊とは、太平洋戦争末期、不足する戦時労働力に充当するため、日本によって強制動員された10代前半から半ばの幼い女学生たちのこと。女学生らは「日本に行けば上級学校に進学でき、お金も稼げる」という懐柔や脅迫などに抗しきれず、軍需工場に動員された。飢えや差別に耐え、軍需物資生産など強制労働に苦しんだが、勉強はおろか賃金すら一文たりとも受け取れなかった。
解放後、故郷に戻った後は従軍慰安婦と誤解され、社会の冷遇と差別の中でつらい生涯を過ごしてきた。長い歳月、息を殺して痛々しい人生を送ってきた被害者らは、「太平洋戦争犠牲者光州遺族会」や日本の良心的市民団体「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」などの助けを受け、日本政府と三菱重工業を相手取って日本での訴訟に参加、世間に知られるようになった。