学生数の減少で廃校に追い込まれる学校が増えている。こうした廃校を訪れては肝試しをする同好会が数を増している。「立ち入り禁止」の看板が立てられてはいるが、無視して中に入っていく。夜になると訪れるこうした同好会のメンバーのため、警察と地主は頭を抱えている。
ソウル市銅雀区に住む会社員のオさん(29)は先月、軍隊の同期3人と共に大田市のある廃校を訪れた。「廃校探訪」のため、今年初めに同好会を立ち上げていた。夜10時過ぎに学校を訪れたオさん一行は、正門の警備に当たっていた警備員に阻止された。「どうして中に入ってはいけないのか」と聞いたことが発端となり、いざこざにまで発展した。同敷地は廃校以後売却され、現在では私有地になっていることが分かった。警備員は「週末の夜になると3、4人でやって来て、中に入れてくれと頼みに来る人々がいる」という。
ソーシャルメディアには「一緒に廃校探訪に行く人募集中」といった書き込みが続々と掲載されている。「日に日に暑さが増している中、廃校探訪はうってつけのアイテム」といった文句で会員を募集する。大学生や会社員たちは知人同士で廃校を訪れる同好会をつくるケースもある。昨年10月には、真夜中に廃校を訪れ、教室に入ってレジャーシートを敷き、ラーメンを作って食べる動画がネット上に出回った。映像の中の主人公は「多くの視聴者から『廃校探訪をお願いしたい』との要請を受け、撮影に踏み切った」としている。
低出産により廃校は日に日に増えている。教育部(日本の省庁に相当)によると、1982年以降、今年3月1日までに廃校に追い込まれた国内の小、中、高校の数は3752校に上っている。このうち60%以上(2339校)は売却された。993カ所は文化施設として活用されている。現在ほとんどの廃校には「立ち入り禁止」の案内文が掲載されている。廃校を訪れて事故に遭遇するケースがあるためだ。しかし、それほど守られていない。2年前には30代の男性が真夜中に閉鎖されたある女子高を訪れ、下水処理場に転落。溺死した。教育部の関係者は「予算が限界に達しており、廃校が増えても全ての学校に警備員を送ることは困難」と話している。
私有地である売却敷地に侵入し、ごみを捨てたり犯罪を行ったりするケースも見受けられる。今年2月には、50代の男性が全羅南道谷城郡のある廃校に侵入し、ガラス窓を割って放火した。