韓国政府の北朝鮮人権財団、発足できずにオフィス閉鎖

政府、費用削減を理由に1年9か月でオフィスの賃貸借契約を解除

 韓国政府は、北朝鮮人権財団の設立に向けて2016年9月にソウル・麻浦区に構えたオフィスを1年9か月で閉鎖することを決めた。当初から与野党の対立によって財団の理事が決まらないなど、財団発足が2年にわたり先延ばしされてきたが、費用削減を理由に今回オフィスの賃貸借契約を解除することにしたという。しかし、北朝鮮の人権問題改善のために法によって設立を決めた財団をこのように放置するのは無責任だとの指摘が出ている。

 韓国統一部(省に相当)は14日、説明資料で「財団の発足が遅れている状況で、空室となっているオフィスに月6300万ウォン(約630万円)もの賃貸料が発生しており、財政的な損失が大きくなっている」と明かした。北朝鮮人権財団は、北朝鮮の人権問題の実態調査、人権改善に関する研究・政策の開発、北朝鮮の住民に対する人道支援などを行う機関だ。11年にわたり国会で漂流し2016年3月に可決された北朝鮮人権法において、中核となるのが同財団のはずだった。しかし、理事の人選を進めるべき国会が非協力的だった上、与野党の対立もあり、財団は発足に漕ぎつけることができなかった。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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