もちろんKポップの競争力は、過去のJポップに比べてはるかに高い。防弾少年団(BTS)がビルボードチャートで1位にのし上がるほど多くの底力を発揮している。しかし、これからは韓国をアピールするメニューを多様化させるために努力を傾けるべきだろう。Kポップが引き続きリードしても、その後を支える他の魅力がなければならない。いつの日かKポップの人気が下降気味になったときに備えるためにも「偏食」から脱するべきなのだ。
昨年韓国を訪問した外国人観光客が前年に比べて23%減少したというのは、尋常とは言えない兆しだ。この全ての理由を「韓中関係が悪化したため」と決め込むのは正しくない。西側諸国から韓国を訪れる観光客たちも、平年並みか減少した。国家広報戦略がどこか故障している証拠だ。
高い競争率を勝ち抜いてフランスの大学の韓国学科に入学した学生のうち、2、3年生の時に他の学科に移るケースが最近続出している。Kポップ以外に韓国に引き続き魅力を感じられる要素が足りず、韓国専門家として未来が不透明だからだという。Kポップだけで積み上げたイメージでは、中身が弱いのだ。
パリで芸術分野に携わり20年以上も生活している同胞は「Kポップの高い人気に酔いしれているのか、韓国政府が第2、第3の韓流を育てるのに日に日に怠慢になっている」と話す。耳を傾け、心に留めておくべき指摘だと思う。
パリ=孫振碩(ソン・ジンソク)特派員