韓国関税庁は23日、海外で購入した個人用の物品を大韓航空の職員らを通じて関税を収めずに国内に持ち込んだとして、密輸・脱税の疑いで「ナッツ姫」こと趙顕娥(チョ・ヒョンア)大韓航空元副社長に対する逮捕状を請求した。
趙顕娥氏の姉のチョ・ヒョンミン元大韓航空専務が会議中に腹を立てて取引先の社員に水をかけた「水かけ事件」以降、韓進グループ(大韓航空を中核とする財閥)のオーナー一家が会社や職員らを利用してブランド物などを常習的に密輸していたとの内部証言が相次いだため、関税庁仁川本部税関はこれまで4回にわたってオーナー一家の自宅やオフィスなどを家宅捜索し、趙顕娥氏については3回にわたって事情聴取を行った。趙顕娥氏は容疑の大部分を否認しているが、仁川本部税関は家宅捜索で確保した品の出どころを追跡した結果、密輸・脱税の容疑を立証できる証拠を一部押さえたことが分かった。趙顕娥氏は2014年、大韓航空機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒り、滑走路に向かっていた機体を引き返させたいわゆる「ナッツリターン事件」で逮捕・起訴された。
「水かけ事件」以降、韓進グループのオーナー一家に対する逮捕状請求は今回で5回目だ。検察と警察は趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長に横領・背任容疑、長女のチョ・ヒョンミン氏に暴行・業務妨害の疑いでそれぞれ逮捕状を申請したが、いずれも棄却された。趙会長の妻、李明姫(イ・ミョンヒ)氏も暴行と出入国管理法違反容疑で2度にわたり逮捕状が請求されたが、やはり棄却された。