別の容疑者は、妻を通して「無罪だ」と主張した。この容疑者の妻は報道機関とのインタビューで、「私の夫は(被害者女性が)しょっちゅう飛びかかってくるので触ったと言っていた。あっちの間違いだ」と強く言った。被害者女性はこの集落で生まれ育った。住民のキムさんは「女性は障がいを持っていたが愛想が良く、住民になじんでいた。みんなが、親のいない女性のことを娘のようにかわいがっていた」と話す。女性は5歳の時に父親を亡くした。その直後から母親は集落を離れて戻ることがなかった。女性は祖母の手で育てられた。2004年に祖母も亡くすと、伯父(68)と2人だけになった。女性の唯一の肉親であり、保護者でもある伯父も犯行に加わっていた。下肢機能障がいを持つ伯父は今回、在宅のまま起訴された。
住民たちは「容疑者を厳しく処罰してほしい」と要望している。近くの集落で農業をしているチェさんは「容疑者の中には集落の施設でよく顔を合わせた人もいる。だが、極悪非道の犯罪に手を染めていながら、人の良さそうな顔をしていたかと思うとゾッとする。5年近くも誰も知らなかったというのは話にならない」と、今回の事件で組織的な隠ぺい工作があったのではないかとの疑問を口にした。別の住民のイさんは「2015年ごろから、女性が性的暴行を受けているといううわさがあった。その年、女性が妊娠して病院に行ったという話も聞いたが、その時すぐに(容疑者たちが)捕まえられていたら…」と言った。
寧越郡は事件の経緯を明らかにするため、捜査機関に積極的に協力すると発表した。寧越郡関係者は「女性は重度障がい者であり、基礎生活(生活保護)受給者なので、月に1回以上の面談が行われていたが、被害については全く気付かなかった。毎日のように会っていた住民たちがなぜ犯行に加わったのか理解に苦しむ」と述べた。