【萬物相】韓国前統計庁長が離任式で流した涙

 今回突然更迭された黄秀慶(ファン・スギョン)前統計庁長は一昨日の離任式の際、涙を流しながら「統計庁長という職務を遂行していた時は、統計庁の独立性や専門性を最も重要視してきた」「統計が政治の道具とならないよう心血を注いだ」などと述べた。国会で野党議員が「雇用は今後さらに悪化すると思うか」と尋ねると、黄氏は「私は占い師でもないし易者でもない」と語ったことでも知られ、この時は記者も笑いをこらえられなかった。これほど気が強い性格であれば、今回の突然の更迭には非常に悔しい思いをしていることだろう。

 黄氏自らは更迭の理由について「分からない」としか語らないが、その一方で「私はそれほど(韓国大統領府などの)言うことを聞く方ではなかった」とも述べた。雇用や所得、分配状況の悪化などを示す統計が公表される際には、何だかんだと大統領府を積極的に擁護しなければならないのも統計庁長の仕事だが、黄氏は仕事の手を半分止めながら「目を付けられている」などと言われた。いずれにしても今回、大韓民国政府の歴史に経済状況悪化の責任を統計庁長が負うという珍しい事態が記録されることになった。もちろんこれまでなかったし、今後もおそらくないだろう。今後次の統計庁長がいかなる統計を出しても、国民の信頼が得られるか疑問だ。またこのままでは韓国の統計を誰も信じなかった数十年前に逆戻りするかもしれない。

李陳錫(イ・ジンソク)論説委員

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