スポーツ選手などへの兵役免除は国力が十分でなかった時代に「国威発揚」や「文化創出」などの目的で始まった制度だが、最近は徐々に問題視されつつある。スポーツそのものよりも、兵役免除の恩恵を受けられるかどうかがすぐ話題になるからだ。今回のアジア大会に出場した国の中で韓国と同じく兵役免除の制度がある国はイランだが、そのイランとサッカーの決勝トーナメント1回戦で対戦した際、メディアから「兵役免除ダービー」などとやゆされた。かつては野球の韓国代表チームが兵役を終えていない選手ばかりになったことがあるが、このときも「兵役免除遠征チーム」などと呼ばれた。あるサッカー選手は「4分間だけ試合に出場して兵役免除」になったケースもある。ある個人種目で韓国選手同士が金メダル争いで対戦した際、すでに免除を受けていた選手が勝ち、その場の雰囲気が非常に具合悪くなったことがある。
汗と努力で国民に誇りを持たせるスポーツ選手や芸術家たちに、兵役免除という恩恵を与えることには今も賛成の声が根強い。これに対して「不公平」との理由で「もうやめるべき」と主張する声もある。スポーツ選手や芸術家たちにその才能と実力を維持しながら、兵役に代わるさまざまな方策について検討が必要だろう。さらにもっと重要なことは、神聖な国防の義務が、できればやりたくない非常に面倒なことのように認識されないようにすることだ。
李明振(イ・ミョンジン)論説委員