ヴィトンのパロディーのはずが…商標権侵害で韓国コスメに賠償命令

ソウル中央地裁、ザ・フェイスショップに5000万ウォンの賠償命じる

 有名ブランドの「パロディー」としてデザインを模倣したとしても、パロディーの意図が明確に表れていなければ商標権の侵害に当たる-。

 フランスの有名ブランド「ルイ・ヴィトン」が、商標権を侵害されたとして韓国の化粧品店「ザ・フェイスショップ」を相手取って起こした損賠賠償請求訴訟で、ソウル中央地裁は9日、ザ・フェイスショップに対し、5000万ウォン(約500万円)の賠償を命じる判決を下した。

 「ザ・フェイスショップ」は2016年、有名ブランドのバッグをデザインに用いたエコバッグブランド「マイアザーバッグ(My Other Bag)」と契約し、ルイ・ヴィトンの代表的なデザインである「LVモノグラム」に似たデザインを容器にプリントした化粧品を発売し、9万8000個を売り上げた。ルイ・ヴィトン側は「モノグラムを無断で使用し、ブランドの名声を侵害した」としてザ・フェイスショップを提訴した。

 ザ・フェイスショップは裁判で「マイアザーバッグと共同で作ったもので、ブランドのパロディーにすぎない」と主張。マイアザーバッグは、布製バッグの片面にブランドバッグのイラストがプリントされ、別の面には「My Other Bag」とロゴが入っており、ブランドを追い求める世相を表すパロディーバッグとして販売されている。ルイ・ヴィトンは米国で、マイアザーバッグに対しても商標権を侵害されたとして訴訟を起こしたが、裁判所は「バッグはパロディーに該当する」としてルイ・ヴィトンの訴えを退けた。

 しかし韓国の裁判所は、ザ・フェイスショップの製品はパロディーには当たらないと判断。判決では、韓国国内ではマイアザーバッグの認知度が低く、消費者の一般的な英語水準を考えると「My Other Bag」というロゴでは特別な意味が伝わらないとして「商標のパロディーとして公正な使用に当たるとは考えられない」と説明した。また「製品をPRする際にルイ・ヴィトンのロゴを使用するなど、ルイ・ヴィトンのブランドイメージを利用しようという意図があった」と指摘した。

シン・スジ記者
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