20代と仕事をしていて驚かされるのは、気軽にお金の話をするところ。若者たちは、その理由を「生きるのに精一杯だから」と説明した。就職浪人のAさんは「実利を得てこそ生存が可能というのが私たちの考え。生涯、足りない中で生きていかないといけないはずだから」と語った。大袈裟に言っているのではない。過去10年、40代と50代の所得が11%増える間に20代の稼ぎは22%減った。今の20代は、親よりましな暮らしができない、戦後初の世代になるだろう。頭にくるには十分なのではなかろうか。既成世代より貧しくなるという若者の相対的剥奪感を、高度成長を満喫した386世代が理解するはずがない。全てを享受して生きて来たのに、他人のせいにしたり小言を言ったりすることが癖になっている386世代に対し、青年たちは嫌悪を感じている。Aさんは語る。「386世代は学生運動出身っぽく『大妥協』、『弱者保護』うんぬんと名分を掲げる。私たちは生きていく心配が山積み。名分より実利の方が1000%重要」。386世代が20代のころ、韓国経済はほとんど毎年2桁成長を遂げていた。しかし今年の成長率の見込値は2%台だ。
文大統領は2月21日、柳韓大学の卒業式でこう演説した。「暮らしの満足は自分が好きな仕事にある、という事実を忘れないでほしい」。可能だとでも思って言っているのか。いまだに文大統領は、自分が青年だったころの視点で韓国を見ている。「あすは日が昇る」という希望に酔っていた時代の言葉をいまだに使っている。今の若者は完全に違う世の中を生きている。その世の中を作ったのは、386世代だ。
キム・シンヨン経済部次長