【社説】兵役拒否は100%無罪、これが分断国家の安全保障か

 大法院は昨年11月、兵役拒否に関する判例を14年ぶりに覆したが、その時から「本当の良心かどうか」を判断する基準があいまいになったとの指摘が相次いでいる。人間の心を判別するなど実際はほぼ不可能なことだ。ところが大法院はそれが可能と考えている。直接の証拠がなくとも証明できるというのだ。これに先立ち憲法裁判所は良心的兵役拒否者を無条件処罰するのではなく、今年中に代替服務制度を立ち上げるよう求めたにもかかわらず、大法院は何かに追い立てられるように判例を覆した。このような状況で今年2月、下級審では「暴圧的な父の下で育ち、非暴力という信念を持つようになった」と主張する予備軍訓練拒否者にも無罪が言い渡された。「兵役拒否」の理由は今や宗教的な信念にとどまらず広がりを見せているのだ。憲法裁判所や大法院の判決によって韓国でも良心的兵役拒否が認められ、代替服務制度を導入せざるを得ない状況になった。だとすれば何よりも「虚偽の良心」や「意図的な兵役拒否」を徹底して摘発できる仕組みが必要になるだろう。

 韓国は69年前の6・25戦争(朝鮮戦争)で南侵を受け、国土が廃虚となる地獄を味わった。今も核兵器や生物化学兵器で武装した120万人の朝鮮人民軍と目と鼻の先で対峙(たいじ)している。北朝鮮政府は世界最悪の暴力集団だ。ところが韓国は今、うその平和ムードに酔いしれ、安全保障におけるぜいたくを楽しんでいる。このような国と国民は間違いなくいつかその代償を支払うようになるだろう。

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