【社説】選挙制度を強制変更、民主国家では想像もできない

 4党は「新しい選挙制度では死票を減らせる」と主張している。しかし民主化後の1988年の国会議員選挙以降、死票が比較的少ない中選挙区制度や大選挙区制度は今の小選挙区制度に見直された。その際には与野党のいずれの側からも「民意がうまく反映されるようになった」として高く評価する声が相次いだ。この当時の野党が今の共に民主党だ。選挙制度はどれも何らかの長所と短所があるため、どれが優れていてどれが劣るなどとは言えない。しかも4党が強く導入を目指す新しい選挙制度は内閣制の場合にうまく機能するものだ。4党がモデルとしたドイツも内閣制の国だ。

 自由韓国党が承服しない状態で今回の選挙法が成立すれば、自由韓国党と国民の多くは選挙の結果そのものを認めなくなるだろう。民主主義の根幹が揺らいでしまうからだ。そのため韓国の憲政史上、ある政党の反対を押し切って選挙法が成立したケースは1度もない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も野党代表だった当時「選挙法はゲームのルールだ。これまで一方が強行して押し切るとか、職権で上程され成立するという前例は1度もなかった」と発言している。これは今の与党が耳を傾けるべき言葉ではないのか。

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