スパイを使って「脱北ネットワーク」瓦解作戦を展開する北朝鮮

 こうした中で人民保安省は最近、「腐敗との戦争」を口実に、卸売・小売業に従事する商人たちを対象に無差別的な取締りや物品の押収をほしいままに行っているという。北朝鮮の事情に詳しい消息筋は「制裁の長期化で国家レベルの貿易機関やトンジュの資金事情が悪化し、わいろ上納の能力が大幅に落ち込んだ。そこで市場へと目を向け、商人たちのカネを巻き上げている」と語った。

 わけても中朝国境貿易の80%を占める新義州では、国境を通って戻ってくる商人たちの物資を保安省が集中的に取り締まっているという。現地の消息筋は「新義州の保安員らは、商人たちから奪った品物を全国の市場にて安値で売り渡し、暴利を得ている。彼らは平壌に10万ドル(約1111万円)以上するマンションを1つか2つずつ持っており、子どもは平壌の大学に通わせる」と語った。保安省の執拗な取締りで被害に遭った商人たちは「国連制裁より内部の略奪の方がつらい」と語っている-と、この消息筋は伝えた。

キム・ミョンソン記者
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