韓国農業団体、北向けトラクター27台を公園内に放置

 ただ全農は募金活動を始める前から事前に北朝鮮側と協議を行っていたかは明らかにしていない。法律によれば、韓国の国民や団体が北朝鮮と接触するには、統一部(省に相当)から事前に許可を受けねばならない。緊急事態の場合も後から統一部に報告することになっている。全農の機関紙によると、全農は今年3月に北朝鮮の朝鮮農業勤労者連盟と6・15共同宣言実践北側委員会農業文化委員会に対し、統一トラクターに関する実務協議の開催を呼び掛けていたという。これについて統一部の関係者は「統一トラクターについて全農から北朝鮮との接触要請や事後報告はなかった」と伝えている。また北朝鮮も今のところ何の反応も示していないようだ。

 また仮に北朝鮮がこの提案に応じても「制裁」というハードルがある。峨山政策研究院安保統一センターの申範澈(シン・ボムチョル)所長によると、2017年11月に採択された国連安保理決議第2397号において、全ての国連加盟国は北朝鮮に産業用の機械や運送手段などを輸出できないよう定められたという。国連が全農のトラクターについて例外措置を認めなければ、これらのトラクターを北朝鮮に送ることはできない。そのため「全農はトラクターの持ち出しが難しいことを知りながら、4・27南北首脳会談1周年に合わせて無理に募金活動を行った」との指摘も出ている。

 北朝鮮に行けなかったトラクターが10日以上公園の駐車場に放置されていることで、公園側も対応に苦慮している。公園管理事務所の関係者は「集会後はトラクターを持っていくことになっていたが、(全農とは)連絡がつかない」「強制的に撤去するわけにもいかず、どうしたらよいか分からない」とコメントした。臨津閣を訪れたある市民は「市民の空間にトラクターが威圧的な雰囲気で置かれているのは印象が良くない」と語る。本紙は全農の考えを聞こうとしたが、全農は取材に応じなかった。

キム・ウンジュン記者
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