【寄稿】韓国軍は専守防衛の「韓国自衛隊」と化すのか

 米軍増援部隊が韓半島(朝鮮半島)に移動する時間を考慮すると、海軍・空軍は初期防衛段階から投入され得るが、地上軍は反撃段階のあたりでようやく投入が可能になる。地上作戦は、地形の条件や多様な部隊が参加するため海上・航空作戦に比べずっと複雑で、韓米の協調事項も多い。しかも北朝鮮地域での反撃作戦は、平素から現地に行ってみることはできないため、より多くの演習が必要だ。なのにこれを省略するのは、「ふりをするだけ」と言うよりほかない。

 戦闘兵力と装備を動員した合同野外機動演習も、大部分は中断された。今春予定されていた合同上陸演習「双竜訓練」や合同空軍演習「マックスサンダー」は、既に取り消しになった。12月にある別の合同空軍演習「ビジラント・エース」も、やらない可能性が高い。野外での実動訓練をやらず、指揮所に座ってウォーゲーム演習ばかりやる軍隊は、有事の際にきちんと戦うことはできない。

 1975年までは戦時に備えた合同軍事演習と政府演習を分離してやっていたが、76年からは統合し、世界で唯一の韓米合同国家総力戦演習「乙支フリーダム・ガーディアン」(UFG)へと発展した。戦時に備えた、最も優れた演習だと誰もが認めているものを急いでなくしてしまう、その理由が気になる。世界がうらやむ韓国の成功神話を否定して犯罪集団北朝鮮の失敗を称賛する、ねじれたイデオロギーの延長線上にあるのではないか。

 韓米の主な軍人の補職期間(1-2年)と韓国軍兵士の服務期間(20カ月以内)を総合すると、きちんと訓練できない状態がおよそ1年続いたら、正常な戦闘力発揮は難しい。昨年6月のシンガポール会談以降、合同演習が中断されたのに続いて、9月の平壌会談後は韓国軍単独の演習すらきちんとできずにいる。加えて、将兵の精神武装と軍の綱紀の緩みも深刻だ。韓国人の目前に、実質的な武装解除が一気に迫ってきた。

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