北朝鮮、F15Kの模型を作って精密爆撃訓練 

 韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「以前は単純な円形のターゲットに向けて爆撃訓練を行っていたが、今は戦闘機の形を実際のサイズで再現し、それを正確に狙った爆撃訓練を行っている」「挑発がより精巧になりつつあると考えられる」などと指摘した。

 北朝鮮はこれまでこのような方法で韓国に対し脅迫のメッセージを送ってきた。2016年には平壌郊外に韓国大統領府の模型を設置し、これを爆撃して完全に破壊した。昨年は平安北道寧辺郊外に韓国軍首脳部がある鶏竜台の建物と同じ構造物を設置した様子が衛星写真で補足された。上記の韓国軍関係者は「大統領府や鶏竜台の模型は韓国への警告メッセージという性格が強いが、宣徳飛行場周辺での空軍基地の再現は実戦用の可能性が高い」との見方を示した。あるいは清州基地に配備されたF35Aを狙った可能性も排除できない。

 この地域がAN2の爆撃訓練場である点も脅威だ。AN2は低空での浸透用飛行機で、主に特殊部隊が敵に侵入する際に用いられる。速度は遅いが、特殊部隊の隊員を乗せて渓谷などを低空で飛び、韓国軍のレーダーを避けることができるとみられている。情報当局の関係者は「AN2は空対地ロケットや爆弾などを搭載して空から攻撃できる」と指摘した上で「韓国軍のレーダーを避けて空軍基地上空から爆撃すると同時に、10人ほどの特殊部隊兵士を落下させれば大きな脅威になるだろう」と説明した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は過去にAN2に直接搭乗するなど、この飛行機に大きな関心を寄せてきた。北朝鮮は300機以上のAN2に改良を重ね、軍事パレードにも毎年登場させている。計器板もデジタル式に変更されたという。

ヤン・スンシク記者
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