日本が2カ月でフッ化水素輸出規制解くも…業界「安心するのは早い、対日依存度を引き続き減らす」

 「まだ安心するのは早い。日本への依存度を下げる供給多様化は推進し続けるだろう」

 これは、29日に日本の経済産業省がフッ化水素の韓国輸出を承認したことについて、韓国のある半導体メーカー役員が翌30日に語った言葉だ。今回の輸出承認で半導体材料不足のリスクはある程度緩和されたが、日本はいつでも同じ形で韓国の半導体産業に圧力を加える可能性があると見ているのだ。

 日本政府は先月4日、フッ化水素・極端紫外線(EUV)用レジスト(感光材)・フッ化ポリイミドという3つの材料の韓国輸出規制を開始し、1カ月間供給しなかったが、今月7日と19日にEUV用レジスト輸出を、続く29日にはフッ化水素輸出を承認した。29日に承認されたのはサムスン電子向けのもので、SKハイニックス向けのものは30日現在承認されていない。このためかろうじて持ちこたえたものの、日本政府が同材料の輸出を申請件ごとに承認する状況には変わりがない。一部では、今回のフッ化水素承認の背景に、国際世論を友好的に変えようという日本政府の政治的判断もあったと見られている。

 日本に端を発する材料リスクを軽減させようと、サムスン電子とSKハイニックスは国産化・供給多様化を引き続き推進する方針だ。製造工程で必要な日本製フッ化水素をすべてなくし、別のフッ化水素を投入するということではないが、日本製の供給がとどこおった場合を考えてこれに代わる方法は用意しておくということだ。両社とも、液体フッ化水素(フッ酸)については韓国企業soulbrainの製品を入手してテストしており、9月中旬ごろ、第1次テストの結果が出る予定だ。品質検証結果によっては、早ければ年末にも大量の国産液体フッ化水素を実際の製造工程に投入することも可能だ。SKグループの材料分野系列会社であるSKマテリアルズは年内に気体フッ化水素の試製品を出す計画で、サムスンとハイニックスはこの試製品が出ればすぐにテストする方針だ。ある材料メーカー関係者は「世界最大の半導体企業2社が積極的に品質テストをしてくれ、まとまった量を購入する意思もしっかりしているため、部品・材料開発会社としてはこれまでにない絶好のチャンスだ」と語った。

金城敏(キム・ソンミン)記者
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