韓国軍、ファーウェイなど中国製品のリスクを把握していた

 これはこれまで韓国軍がファーウェイをはじめとする中国製品に対して表向きに示してきた認識とは完全に異なる。韓国軍はつい最近まで、中国製品の使用によるサイバー攻撃のリスクに対して具体的な見解を示してこなかった。安保支援司令部は今年6月に開催された「2019年の国防セキュリティー・カンファレンス」において、ある専門家がバックドアにより中国からサイバー攻撃を受ける可能性を指摘したことに難色を示し、そのためある出席者がテーマを見直すハプニングがあった。しかし実際は韓国軍の情報当局も昨年から内部ですでに中国製品使用のリスクを警告してきたのだ。

 韓国国防部(省に相当)は情報当局からの文書について「中国の具体的な製品名や機器は名指されていない。一般的な話として中国で製造されたIoTや5G関連の機器にはバックドアを通じたサイバー攻撃の懸念があるため、セキュリティーには格別に注意を促すという趣旨で作成された」と説明した。韓国軍は表向きは中国製品の使用を否定しているが、ファーウェイを含む中国製品は数十の部隊で直接・間接的に使用されているという。

 さらに韓国軍は「韓国軍をターゲットとしたサイバー攻撃の45%が北朝鮮の犯行」としてこの点にも注意を促している。複数の仮想敵国がサイバー攻撃によって韓国軍のシステムの弱点を確認する「スキャニング」を行っているが、その45%が北朝鮮によるものという意味だ。上記の韓国軍関係者は「サイバー攻撃ではないが、韓国軍のシステムに侵入できる一種の『隙』をうかがうものだ」「その半分が北朝鮮の仕業ということは、北朝鮮はいつでも韓国軍にサイバー攻撃を仕掛けることが可能ということだ」と説明した。情報当局は南北関係が比較的良好だった昨年末も、北朝鮮によるシステムへの侵入の動きがあった事実をすでに把握しているという。

 韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「韓国軍情報当局から文書で注意が促されるほど、中国によるサイバー攻撃の脅威は現実になりつつある」「とりわけメーカーの不注意で韓国軍のイントラネットが実際に北朝鮮のサイバー攻撃を受けたことがあるだけに、韓国軍はより専門性を持って管理・監督を行わねばならない」と指摘した。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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