世界67カ国のNGOが文大統領に書簡「韓国の沈黙が北の人権弾圧を後押し」

北朝鮮漁船乗組員の強制送還についても懸念を表明

「韓国政府による(北朝鮮)人権問題に対する沈黙と傍観は、人権弾圧を後押しする結果を招いている」

 ヒューマン・ライツ・ウォッチ、北朝鮮における人道に対する罪を止める国際的な連合(ICNK)、国際アムネスティなど22カ国で活動する67の非政府組織(NGO)が16日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に書簡を送り「韓国政府は北朝鮮における深刻な人権問題改善に向け積極的に努力すべきだ」という趣旨の公開書簡を送った。書簡には67団体のほかトマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権特別報告官やイ・ヤンヒ国連ミャンマー特別報告官、国連北朝鮮人権報告官を務めたマルズキ・ダルスマン氏ら10人も名前を連ねていた。

 国際人権団体が人権弁護士出身の文大統領に対し、北朝鮮の人権問題改善に乗り出すよう求めた形だ。

 書簡は、韓国政府が先月7日に北朝鮮漁船乗組員二人を北朝鮮に強制送還した問題を取り上げ「大韓民国は送還の際、拷問を受ける恐れが強く認められる場合にはその人物を保護し正当な手続きを提供する義務を持つ国だ」「(韓国政府が)北朝鮮漁船乗組員の送還を行ったことに懸念を表明する」などと明記されていた。さらに「韓国政府は北朝鮮漁船乗組員強制送還事件の真相を解明し、その結果を公表すべきだ」「北朝鮮住民の基本権を侵害した政府関係者に責任を追及しなければらない」などとも主張した。

 さらに韓国政府が先月14日、国連の第3委員会で採択された北朝鮮人権決議案の共同提案国に参加しなかったことについて「南北対話の見返りに北朝鮮政権の違法行為から顔を背けているという間違った印象を与えている」とも書簡では指摘されている。

 書簡には「北朝鮮の脅迫に屈し沈黙する行為は、北朝鮮の人権問題解決に何のプラスにもならないだろう」「北朝鮮の人権問題解決を求める国際社会の一貫して断固としたメッセージを北朝鮮政権に送り続けてこそ、長期的に北朝鮮の人権問題を解決に向かわせることができるだろう」などとも記載されている。

キム・ミョンソン記者
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