五輪での1勝に向かって…奇跡のラグビー勇士たちが突進する

「東京での新たな歴史、私が書く」 五輪初出場の韓国男子ラグビー
実業団3チームだけの悪条件下で、アジア最強の香港を破り東京行き
防具なしで走ってぶつかっての繰り返し…交通事故に遭うのと同じ衝撃
「諦めることを知らない闘魂だけは韓国ラグビーが世界最高だと自負」

■「最低1勝が目標、日本には絶対に勝つ」

 今回の五輪予選に向けては5週にわたって練習を行った。全国体育大会が終わってから集まったため、選手たちは満身創痍だった。日本でプレーする海外組2人(チャン・ヨンフン、チョン・ヨンシク)は2週間前に合流した。練習中には十字靱帯断裂(イ・ジェボク)、アキレス腱断裂(キム・グァンミン)など負傷する選手が続出した。五輪出場をラグビーの大衆化につなげたい切実な思いと切迫感が彼らの武器だった。選手団は「一つになる瞬間、われわれは頂点に行く」というスローガンをトイレやロッカールームにも貼り出した。代表チームの主将、パク・ワンソン(36)は「遅刻は1分当たり1000ウォン(約94円)、目標体重超過は5000ウォン(約470円)、夜食を食べたら5万ウォン(約4700円)、飲酒は10万ウォン(約9400円)など、罰金制にしたが、お金はほとんど集まらなかった」と話した。

 五輪のラグビーは前後半7分ずつ、1チーム7人で対戦する7人制で行われる。チョン・ヨンシクは「サッカー場に匹敵するラグビー場を7人でカバーしようとすると、1分プレーしただけで足は芝生にめり込み、心臓は飛び出しそうになる」と表現した。そのため根性、粘り強さ、忍耐、犠牲などラグビーの基本精神をどちらがより具現するかが勝負を分ける。米国系の帰化選手、アンドレ・ジン・コクィヤード(母親が韓国のファッションモデル、キム・ドンスさん)は「お前のために俺が代わって死んでやる、という気持ちでプレーする。諦めることを知らない闘魂だけは、韓国ラグビーが世界最高だと自負している」と話した。

 五輪の地域予選決勝の香港戦がそうだった。韓国は0-7でリードされていたが、試合終盤に同点に追い付き、延長戦で勝負をひっくり返した。このとき決勝点を挙げたチャン・ヨンフンは「ふくらはぎがつったのだが、どうやって走ったのか分からない」として「ワンヨン先輩は一番のベテランにもかかわらず自ら積極的にプレーし、(キム)ヒョンス先輩は十字靱帯断裂というけがを負ったのに体を投げ出してプレーする。この勢いなら五輪でも自信がある」と話した。

 2004年のアテネ五輪では女子ハンドボール、2018年平昌五輪ではカーリングが非人気種目の悲しみを晴らして国民に愛された。2020年東京五輪ではラグビーが奇跡を夢見る。初戦は7月27日。目標は最低1勝だ。特に、日本と対戦したら絶対に勝つと闘志を燃やしている。

 「ラグビー代表チームはムクゲのマークを付けてプレーします。今夏、日本の東京でムクゲの花を大きく咲かせます!」

鎮川= ヤン・ジヘ記者
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