ムン理事は「攻撃者のサーバーには太永浩元公使のスマートフォンをハッキングして奪った多くのデータがあった」と述べた。太元公使のスマートフォンに保存されていた連絡先とカカオトークの対話内容、SMS(ショート・メッセージ・サービス)、通話内容などがハッキングされ奪われたという。ムン理事は「太元公使にスマートフォンがハッキングされたことを伝え、問題を解決した」と語った。
ハッカーのサーバーからは韓国の国会議員補佐官、脱北民、ジャーナリスト、弁護士などのスマートフォンから奪ったとみられる写真、カカオトークの対話内容、SMS、通話内容などが発見された。ムン理事は「ハッカーはSNSとメッセンジャーを通じて特定の人物に接近し、ハッキングプログラムを設置するよう誘導し、スマートフォンやパソコンを感染させている」とし「ハッキングされたパソコンやスマートフォンを使用すれば、全ての内容がリアルタイムでハッカーのサーバーに伝送される」と説明した。
太元公使のスマートフォンをハッキングした組織についてムン理事は「ハッキングコードを分析した結果、2014年に韓水原がハッキング攻撃を受けた当時、使用された北朝鮮キムスキー組織の悪性コードと同一だった」と説明した。
北朝鮮国家保衛省所属のハッカー組織であるキムスキーは2014年、韓水原ハッキング事件後も韓国政府の部処(省庁)と企業、北朝鮮関連機関、メディア関係者などを対象に、持続的にハッキング攻撃を行ってきたという。国内の有名リゾートサーバー、国内の大手ポータルサイトが運営するホスティングサーバーなど七つのサーバーが攻撃を受けたとのことだ。
太元公使のスマートフォンが北朝鮮ハッカー組織にハッキングされたことで、数々の活動状況と安全保障関連の情報、周辺人物の動向まで北朝鮮に渡った可能性が高い。太元公使が北朝鮮からのテロを避けるため使用した「テ・クミン」という氏名も今回流出したことが確認された。太元公使と家族の周辺に安全上の問題が発生する恐れが出てきたのだ。
太元公使は本紙の取材に「私の携帯電話が複数回ハッキングされたことは知っている」とコメントした。