共に民主党所属の呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長が23日、女性職員に対するセクハラ行為に及んだとして辞任した。民主党の広域自治体首長が性的なスキャンダルで辞任したのは、安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道知事に続き2例目だ。呉市長が不名誉な形で辞任したことで、釜山市政の空白は避けられなくなった。与党の「道徳性」を巡る論議も続きそうだ。
呉氏は記者会見で「(女性職員と)不必要な身体接触があった」とし、「責任を取り辞任する」と述べた。呉市長は今月7日午前、市長執務室に女性職員を呼び、5分間面談した際、わいせつな行為に及んだとされる。被害者は事件直後に釜山性暴力相談所に通報し、呉市長に辞任を要求した。また、「今月末までに辞任する」という確認書に公証まで受けた状況だったという。
呉氏は2014年に釜山市長選に出馬して落選したが、当時「言葉はつかえても、良心はよどまない」と述べた。当選を果たした18年市長選では「セクハラ・性暴力予防専門チーム」の設置を公約に掲げた。昨年9月には「セクハラは根絶すべき旧態」だとし、最大限厳罰を下すと表明した。今年3月には世界女性デーに合わせ、「全ての女性が夢をあきらめない釜山のために努力する」と述べた。野党未来統合党は「呉市長の素顔が露見した」と批判した。
民主党は呉市長辞任から3時間後に国民に謝罪した。尹昊重(ユン・ホジュン)事務総長は「国民の皆様に頭を下げて謝罪申し上げる」と述べ、24日に倫理審判員会議を開き、呉市長を除名する方針であることを明らかにした。
呉市長が辞任したことで、釜山市は辺城完(ピョン・ソンワン)行政副市長が権限代行を務める。補欠選挙は来年4月に行われる。民主党の党綱領には「党所属の選出職公職者が重大な過失で職位を失った場合、該当選挙区に候補者を推薦しない」と明記されている。このため、補選に民主党が候補を擁立するかどうかにも関心が集まる。釜山市では昨年12月、柳在洙(ユ・ジェス)経済副市長が金融業界から賄賂を受け取ったとして逮捕、起訴された。わずか5カ月の間に市長と副市長が辞任するという異例の状態となった。
野党は呉市長が今月15日の総選挙以降に辞任したことを巡り、民主党が介入した可能性を指摘した。統合党の金成願(キム・ソンウォン)広報は「総選挙後の辞任は上部の何者かが謀議したものかどうか解明しなければならない」と述べた。これに対し、民主党は「全く知らなかった」と説明した。