【萬物相】韓国の高所得職業第2位は「国会議員」

【萬物相】韓国の高所得職業第2位は「国会議員」

 米国連邦議会の議員が受け取る年俸(17万4000ドル=現在のレートで約1870万円。以下同じ)は、10年以上も据え置かれている。もともとは毎年の物価上昇率に合わせて増えることになっていたが、リーマン・ショック直後の2009年から、議会は「苦痛を分かち合う」という観点から毎年歳費凍結法案を通過させている。昨年、民主党指導部がこれを.2.6%引き上げようとして騒ぎになった。競り合っている地域の民主党議員らが「歳費を上げたら共和党に票を全部持っていかれる」と頭から否定し、結局なかったことになった。政治戦略家らは、議員が「セルフ年俸引き上げ」に賛成した記録を残すことは「政治的自殺行為」だと警告した。

 多くの国で議員は尊敬されておらず、議員が国庫からもらっていくカネにも厳しい視線が向けられている。4月19日に韓国雇用情報院が発表した職業別平均所得で、国会議員は1億4000万ウォン(約1230万円)と、企業の上級役員に続き第2位となった。高所得者が並ぶ整形外科・皮膚科の医師よりも平均額では上回ったのだ。これを伝える記事に付いたコメントはもちろん、非常に険悪だ。「けんかを除いてやってることって何があるの…」程度はまだソフトな方だ。

 制憲国会の議員らは、1949年の時点で月給3万ウォンを受け取っていたという。当時、ある議員が「一線で苦労している末端官吏の月給が3000ウォンにすぎないのに、われわれはあまりに多い」と言った記録があるのを見れば、国会議員は当初から高所得者だった。今では議員の歳費に補佐陣の人件費、立法活動支援や事務室運営費などを加えると、議員1人当たり年間7億3200万ウォン(約6460万円)の税金が投じられている。これとは別に国会議員が享受できる特権は200種類を超える。

 主要国の議員歳費を国民所得と比較した資料を見ると、韓国は国民1人当たりのGDP(国内総生産)の4.4倍ほどを議員が受け取っている。米国(2.9倍)、英国(2.6倍)、フランス(2.53倍)よりはるかに高い。オランダは2.15倍、スウェーデンは1.76倍にすぎない。日本・イタリアくらいが韓国と同水準になる。一律に比較はできないだろうが、韓国の国会議員の処遇が極めて良いことだけは明らかだ。その分だけ仕事をしているのなら誰も何も言わないだろう。しかし、受け取るカネに比してどれほど効果を出しているかを分析した調査において、韓国は27カ国中26位だった。

 今や韓国で国会議員は、奉仕するポストではなく権力争奪戦の行動隊員だ。そのくせ、いい待遇を受けて収入も十分な「いい職場」だ。閣僚・大学教授など他人がうらやむ職をあまねく経験したある人物は、ためらうことなく「国会議員が最高だった」と語る。各政党が歳費削減、特権縮小の公約を掲げるが、結果的に全てうそだった。

イム・ミンヒョク論説委員

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