コロナ事態で揺らぐ「アナログ共和国」日本

 日本の印鑑重視は情報技術(IT)を担当する官庁の大臣が「日本の印章制度・文化を守る議員連盟(はんこ議連)」の会長を務めていることにも表れている。世界的な趨勢に遅れないようにデジタル化を推進していながら、はんこ文化という伝統を捨てられない日本社会の実情を端的に示す事例と言える。

 竹本直一IT・科学技術担当相は14日、はんこ文化について、「(官公庁ではなく)しょせんな民間同士の話だ」と発言したが、政府の契約が全て紙と印鑑で交わされている事実を知らなかったとの指摘も出ている。

■コロナ特別給付金も郵便で申請必要

 デジタルよりもアナログを好む傾向は、新型コロナウイルス感染防止への対策として一律10万円を給付する「特別定額給付金」の支給が遅れる原因としても指摘されている。

 米英は政府のデータベースに登録された国民の社会保障番号、納税データなどを活用し、個人口座に直接現金を振り込んだ。日本は受給者がインターネットまたは郵便で申請する必要があり、給付には少なくとも3カ月かかると予想されている。

 郵便よりも手続きが簡単なインターネット申請も申請が可能な対象者は全人口の20%に満たない。政府が2016年に導入した「マイナンバーカード」を持つ人に限り、インターネット申請が可能だが、交付率は15.5%にとどまっている。

 マイナンバー制度では所得や課税情報を政府に提供する代わり、固有の番号が割り振られ、官公庁や金融機関での書類手続きを簡素化できる。しかし、日本国民は個人情報流出を懸念し、マイナンバーカードの申し込みをためらっている。野村総合研究所の2018年の調査では、回答者のうち、「便利になるならば、個人情報を登録してもよい」と答えた人よりも、「メリットが多くても個人情報を登録したくない」と答えた人が多かった。

イ・ヒョンスン記者

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