「原油代金8兆ウォン訴訟」発言に韓国外交部がイラン大使呼び「遺憾」

遠のく韓国・イラン関係
対イラン外交に黄信号

 イランが凍結解除を要求する凍結資金は韓国の石油・化学会社が輸入したイラン産原油の輸出代金で、約70億ドル(約7480億円)規模だという。韓国は米国の承認の下、2010年からイラン産原油の輸入代金をIBK企業銀行とウリィ銀行に開設されたイラン中央銀行の口座にウォン建てで入金し、イランに非制裁品目を輸出する企業はその代金をこの口座から受けるという方式でイランと貿易してきた。ところが、昨年9月に米政府がイラン中央銀行を特別指定制裁対象(SDN)の国際テロ支援組織(SDGT)へと制裁レベルを引き上げたことから、韓国の両銀行はこの口座の運用を停止した。

 原油代金問題が浮上したことから、イラン外務省は昨年末、ユ・ジョンヒョン駐イラン韓国大使を呼び出し、IBK企業銀行・ウリィ銀行の口座に過去約9年間でたまったイラン中央銀行名義の預金70億ドルを早急に引き出せる手段を用意するよう要求した。この口座の預金利率は「ゼロ(0)」に近く、預け期間が長くなるほどイランにとって損になる。イラン外務省当局者は「米国の制裁対象ではない医薬品・食料品の輸出入代金決済は努力さえすれば移行可能なのにもかかわらず、韓国政府はきちんと努力していない」と言った。イラン中央銀行と保健省の関係者もユ・ジョンヒョン大使と接触して関連問題を提起した。

 イランは米国の圧力政策により最大の外貨収入源である原油輸出の道がふさがれている上、新型コロナウイルス問題で貿易がさらに難しくなり、深刻な経済難に陥っている。イラン外務省報道官がメディアとのインタビューで異例の韓国非難をしたのも、経済難など現地事情が思い通りにならないため無理やり世論を刺激し、打開策を見いだそうとしているものだとの見方もある。

ノ・ソクチョ記者
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